空の表紙 −天上のエクレシア−




――――――白兎が城へ到着した

「王に!王にお目通りを!!
王は居られないのか!!」

制止する門番をぶん殴り
宮殿の廊下を真っ直ぐ突き進む


「お待ち下さい白兎様!
なんぴとたり共通すなと!!
王は大戦で受けられた傷が
酷く疼くとおっしゃられて
休まれております!」

「五月蠅い!!」

「うわあっ!!!」

手の平の卦で強く飛ばされた守衛兵は
呻き声を上げる

警笛。

あちこちから衛兵の足音が集まり
白兎に向かって来た

「ぬおおおお!!
邪魔する奴は全員ぶん投げーーーる!!」

兵士の頭ごと持ち上げそのまま飛ばす
次には足を掴み思いきり床に叩き付けた

「はぁ…はぁ…次は誰だ!!」




「…『白』の術士とは
思えない所作ですね。白兎。」


「…とうとうやる気か。フリート…」

白兎は両腕捲りし拳を握り
両腰に据える

フリートはそれに答える様に
シャラ…と剣を抜いた

「…ご存じですか?
人を滅するのは剣の力だけではない」


「ぬ?」


フリートは剣を掲げて宣言する

「これより
上級三隊織天士フリートが命ずる!!
『怪僧白兎』は
宮殿での傍若な振舞及び
その立場を利用し町に至て、
著しく人心を迷わせた物とし
国外追放!!流刑とする!」






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