空の表紙 −天上のエクレシア−



「サリュ!!」

迫る闇兵からサリュを庇う様に
ルビナは体を屈める


(くそ!間に合わない!!




ドーーーン!

いきなり地面に土煙
空気に振動が走った

それと同時に馬車が
公園内に乗り上げ半周し
勢い良く止まる

馬を操るのはマナ

幌の中には
装填式簡易大砲を肩に背負った
踊り子がいた


「マナさん?!」

「うふふ。
何か有りそうだから
追って来ましたの。
…お手伝いになりまして?」

「…恩に切ります…!」


「カボチャさん!これ使って!!」

体の肉の付き方で
大体使う武器は解る。
セフィアが両手で数ある武器の中から
大斧を巨躯に向かって投げた


『…違う!「マン」を付けなさい!!』


巨躯は受け取った大斧の柄を強く握り
闇兵に一撃打ち込む


マナはその隙にと
ルビナとサリュを荷台に乗せ込めた

「さ。目をつむって。見ては駄目。」


敵を叩く度に斧から不思議な発光

真上から振り降ろされた剣圧に
人の体が半分に裂かれるのを
アクアスは初めて見た



(…なんなんだ…この強さ…。


数十人からの剣を受け
それを大斧の柄だけで弾く
また十人が返って来た所で
巨躯は獣の様な大声を挙げた






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