空の表紙 −天上のエクレシア−
―――――――― パチパチと
肉の焼ける音
マナがそれを取り皆に差し出す
「ごめんね。巻き込んで…」
「うふふ。いいえ〜
お祭りは賑やかな方が楽しいですし。
お陰でこんなに綺麗な星空も見れた」
三人で見上げる
「…マナは思うんですの。
やはりこの世界は神様がお創りになったんだなーって」
「あはは いきなりどうしたの?」
「お二人は神様って、男女
どちらだと思われます?」
オデッセイはただ笑って首を横に降る
セフィアはハグハグと肉を頬張りながら
「僕は単純に男と思ってたなー
しかも女ギライな
神様が独りぼっちになる前の世界で
きっとダマされるとか裏切られるとか
なんかあったんだと思うんだよねー」
「まあ!うふふふ」
「そ!そんな笑わなくたって!
…もういい。答えるのやーめた」
「あらごめんなさい。…ふふ。
神様には性別が無いって
考えられてますけど
マナもやっぱりなんだか
殿方の様な気がしてましたの
…友達が好きで
いつも誰かと居たいけど
自分に異を唱える者には容赦無くて…。
セフィアさん。
カイラの刻印てご存じです?」
「?…えーっと、なんだっけ
聖典って実は絵本のしか読んだ事ないからなー
あれだ!
『羊飼いのマベラと農夫のカイラ』でしょ?
神様が羊しか受け取らなかったから
カイラが怒って
マベラ殺しちゃうんだっけ」
いつの間にか起きて来たサリュが
オデッセイの横に座り質問する
「…かみさまって野菜きらい?」
それを聞いてオデッセイが爆笑する
「サリュにかかったら
神様もただの偏食家かよ」
「はわぁ…?」
「くすくす。そうかもですね
サリュさん
…そうやって神自ら砂漠に
カイラを追放する状況にも関わらず
神様は『誰もカイラを殺せない』様に
守りの星を額に与えるんです」
サリュは膝を抱え炎を見詰めていたが
オデッセイに寄り架かり
ひとつあくびをする
「ぶきよう…?かみさまは
何でもできるのに…ね…」
サリュはそのまま眠ってしまった
「…そうだね」
オデッセイはそれだけ呟くと
また瞳を空の闇に返した