空の表紙 −天上のエクレシア−


―――――――― 真夜中


石造りの床に粗末なベット
弟達が寝息を立てる中
ルビナはまだ眠れずにいた


風を入れる為に
開いたままの窓から
白い月が見える




…胸が痛い


いきなり
建国祭のヒーロー
『カボチャマン』がやって来て
金髪美女さんに、目を塞がれた



−そして
あの人の手が…


『…庭に居た、白いドレスの子だね。』


深い緑の瞳が近付き
微笑みながら見つめられて
抱き締められながら、耳元で囁かれた


『綺麗な紅い髪だね…ルビナ』


顔に物凄い音をたてて
血液が集まって来るのが
自分でわかった

近付いて来るアクアスの声に
とっさに気絶したふりをした。


体中ずっと痺れてるのは
あのすごい地響きのせいじゃないよ…

胸に火がついたみたいに熱い
どうしたらいいんだろう


…サリュ…大丈夫かな
というか
きっとあの人がサリュに
『星』をあげるって言った人なんだ




…いいな。



ハッ!となって頭を振る

サリュは笑ってた
よくわかんないけど
きっとあの人も良い人だ
そういう勘は当たるんだもん


とにかく眠らないといけない…
…明日もまた朝が早いんだ…






− その夜ルビナは月の光の下
あの白いドレスよりもっと豪華な
真っ赤な舞踏会のドレスを着て
あの人と踊る 夢を見た






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