空の表紙 −天上のエクレシア−


――――――― 朝の王室


「何をやってる!!フリートォオ!!
うさ…兎を流刑にだと?!」

食卓にはただ二人
支度仕えを部屋払いした途端
王が叫び出した


フリートは激しく杯をぶつけられ
それを避ける事なく真正面から受けた

こめかみから血が流れるまま
水色の目で、王を見詰める


「…白兎はサリュ様の件から
少しづつ秘密に迫っていた
このままここに止どめれば
貴方の行ったが全て
彼に判る日も近いのですよ」


王は座から立ち
フリートの側にゆっくり歩み寄る

「そ…それは嫌だ…
兎は絶対に、私のやった事を
許さない…。そういう奴だ…
でも。でもな?フリート

遊び回る兄の後始末に
俺はずっと苦しんでいた…
周りは知っていても
勝手な事だけ言って
俺に全部押しつける……

そんな時、白兎は俺と一緒に
走り回ってくれたんだ
悩む俺の相談に乗ってくれてたんだ…」

頭を両手で抱え目を見開く

「…わかった
そちは私の事を考えて
やってくれたのだものな…
よし。流刑は仕方無いとしよう

全ては計画の為…
強くなれば皆私に従う!
文句など言う奴は居なくなる!

強い俺の元で皆私の教えの元で
仲良く暮らせるんだ…!
素晴らしいだろフリート!!!


…なあ
…私はなぜ力を
手に入れられなかったのかなあ?

『あの青い扉』を開けて
あんなに光を浴びたのに…。
元々力が有り過ぎるからかな…」


「…そうですね。
光を目前で浴び異形化・墨化
しなかったのは白金王、貴方様
ただ御ひとり

とにかく
再び扉を開く為に必要な石は
手に入れました

後は王の言われた
『唄』を歌う族長の娘を
探し出さなければ

…本当にその者は生きて
あの場に居たのですね?」



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