空の表紙 −天上のエクレシア−
王の肩がワナワナと震える
そして思い切り食卓を叩いた
「…ああ…
あの灰色の目の生意気な女…!この…
この私を殴りやがったんだ!!
ゲンコツだ!拳でだぞ?!
……アイツを唄わせて
俺が力を得た暁には…
裏町にでも売り飛ばすか
…あははははは!」
「…さあ、王よ
そろそろ謁見のお時間です
御顔をお隠しになって
おぐしも御直しにならないと」
「うむ!
また今度それについて相談しよう!
ルビナはもちろん私の妃とする!
ルビナは
…ああいうローブを着てる男が
タイプなのかな…
髪も長い方が好きかな…
あの…
今度こっそり聞いてみてくれないか…?
頼むよフリート………
…よし!
仕立屋を呼んでおけ!
私も今日からローブを着るぞ!!
むしろローブ最高だろう!!」
−笑い声が遠くになる
独り部屋に残ったフリートは
座席を立ち
遠くへ飛んだ、自分を撃った酒杯を拾う
「王よ…
貴方はキチンと異形化していますよ…。
− 心が。」