この世界は、真夏でできている。
「えっ?!いるの!!?」

私が誰、と聞く前に彼が口を開いた。

「優介でしょ、ひろきでしょ、まっちゃんと、はやとと…」

いずれも男子たちの名前だ。私は心の中で「あ、そういう?!」というツッコミをかけた。

あと、と彼が言うので、彼の方を見る。

「お前!」

彼は真っ直ぐ、私を見ていた。

飛び跳ねそうになる、いや、飛び跳ねてしまった心臓を必死で押さえ込み、

(落ち着け落ち着け、まだ小学生じゃん!!)

と自分に言い聞かせたが、彼の

「面白いし、仲いい友達じゃん!」という言葉は

私の耳には一切届いていなかった。
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