この世界は、真夏でできている。
少しだけ沈黙が流れ、私はなんとか新しい話題を振らなければと、

必死で脳内で言葉を巡らせた。

私が何か言葉を口に出す前に、彼が「あっ!」と口を開いた。

「今何時?!」

「えっ。」

私は必死で何か時間が確認できるものを探したが、

小学生ではスマホや腕時計なんて持ち合わせていないし、

こんな学校帰りの道では、そこら辺に時計があるわけもなかった。

私はふと、空に目が行った。

「4時ぐらいじゃない?」

「だよな!!」
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