この世界は、真夏でできている。
その帰り道で、彩絵が突然口を開いた。

「優介から、澪良さんって呼ばれるの、すごく違和感だった」

「え?」

「はやく…はやく思い出して欲しいな、私たちみんなのこと」

彩絵からしてみれば、昔の1番の友人から、さん付けで呼ばれ、

敬語を使われるのは寂しくてたまらない事だろう。

私も、そう思う。

きっと彼も、心の底から思っているだろう。

「次はどこに行くか決まってるの?」

「それが結構行き尽くしちゃったんだよねー。

しょっぱなに飛ばしすぎて…」

「じゃあさ、もういっその事、普通に行きたいとこに遊びに行くのどう?」

彩絵の思いもしない提案に、ぽかんと口を開いてしまう。

「たしかに…」

「私、バーベキュー行きたかったの!!優介と黒羽も誘って行こうよ!

全部レンタルで手ぶらで行けるんだよ、ねぇよくな〜い???」

「よし!

行こう!!」
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