この世界は、真夏でできている。
「田中さん?!」

今日も太陽の日差しは絶好調だ。

よくまぁこんなに毎日毎日全力で差し込めると思う。

「田中さんって…黒羽のこと知ってるの?」

私は真っ青な空をぼけっと眺め、雲がひとつも無いなぁなんて考えながら、彩絵の声を聞いた。

「最近うちのカフェに入ってきたんだ」

「えっ?!」と視線を空から黒羽の方へ向ける。

「もしかして、瑠夏がよく話してた、幼なじみって、日澤くんのことなの?」

私がうん、と返すと、優介は少し照れているようだった。

黒羽は「気使うなよ!」と半ば面白がっているだろう笑顔を向けた。
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