この世界は、真夏でできている。
8月16日がやって来た。

お盆の終盤だからか、駅はどことなく賑わっている。

優介を発見し、私は直ぐに駆けつけた。

行先は都内から電車で3時間ほど乗り継いだ先に着く、

観光地として有名な場所であった。

私たちはキャリーを引きながら、目的地へと向かった。

現地に着くと、私たちは小さなお蕎麦屋さんでお昼を食べ、

向こうより涼しい、自然の空気を堪能した。

美術館を訪れた後、すれ違う犬も連れた家族連れなんかを眺めたり、

近くの神社へ足を運んだりした。

時間がゆっくり流れて、目に入る緑や、耳に入る音と、

優介の声がとても心地よかった。
< 117 / 231 >

この作品をシェア

pagetop