この世界は、真夏でできている。
「私もね、もう1箇所行きたいところがあるの」

1口、彼女がカフェラテを飲んだ。

「次、バイトない日いつ?」

「明後日なら空いてるよ」

「じゃあ明後日さ、5時半くらいにおばちゃんの駄菓子屋行った時に待ち合わせした

大きなマンション覚えてる?」

「うん」

「そこに来て」

その日の彼女は、いつもと少し様子が違っていた。

夕方からバイトが入ってることもあり、30分ほどでカフェを後にし、

そのまま解散することになった。

家に着いてから、手提げから小説を取り出す。

…この小説を読むのはもうやめよう。

僕はその小説を、ゴミ箱に放り投げた。
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