この世界は、真夏でできている。
「元は、ここに公園なんかなかった。」

「じゃあ、なんだったの?」

「何も無かったよ。

ただ私たちの住み慣れたこの街が、

こんなにも綺麗だったんだって知らせてくれる
空が見えた」

立派な、立派な思い出がある。

僕よりもずっと、大事にしてきた思い出だろう。

もう二度と声を聞くことも、顔を見ることさえできない彼との思い出を、

何年経った今でもずっと大事にし続けてきた。

悔しくて、妬みが堪らなかった。

けど、そんな僕が入る隙すらないのも、痛いほどわかった。
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