この世界は、真夏でできている。

そんな中で、私は縋り付くように彼女の進学先を聞きつけ、同じにした。

これじゃあまるでストーカーだ。

運が良かったのか悪かったのか、

ひとつの小さな教室の中で私と瑠夏は再会し、黒羽と出会うことになった。

それでも私は、まだ性懲りも無く、彼女へ近づくことさえ出来ずにいた。

意固地になった私の中に飛び込んできてくれた、瑠夏と優介とは違った。

あの頃のまま、私は何も変わっていなかった。

ある夏の入る前、HR(ホームルーム)が終わり、私も教室を出ようとしたところで、

1人のクラスメイトが、瑠夏に話しかけているのを見かけた。

それが、田中 黒羽|《たなか くろは》だった。