この世界は、真夏でできている。
本音を言えば、罪悪感で、寂しさで、押しつぶされそうだった。


「……瑠夏」

「ん?」

「瑠夏は、私の小学校からの…友達なの」

「へぇ…」

「でも、あの日から…私は瑠夏から逃げてた、

みないふりをし続けて、そんな自分の罪悪感を減らすために、

瑠夏の受ける高校を追っかけて、それなのに、まだ、向き合えないでいるの」

黒羽は、私を真っ直ぐ見つめていたのを覚えている。

「私、昔から最低なんだ。

誰かに、殺してほしい」

がしっ、と黒羽の手が私の頭を掴んだ。

そしてそのまま、髪をぐしゃぐしゃにするくらい、撫でられた。

「頭熱ッ!お前風邪ひいてんだ」

彼はそれでもまだ、手をとめなかった。

「瑠夏のこと、本当に大事に思ってなきゃ、そんな何年も悩んでないよな。」


誰かに、殺して欲しい。それよりも、傍にいて、欲しかった。
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