この世界は、真夏でできている。
「あら。澪良さん、起きた?」

「おっす!!」

ドアの方に目を向けると、保健室の小岩先生がたっていた。

「田中くん、荷物もってきてくれたのね、ありがとう。

もう、戻っていいわよ」

「えー、まだサボってたかった」

はいはい、と先生はドアの方へ促す。

あっ、と黒羽が立ち止まり、また私の方を向いた。

「最低なわけねーよ」


顔が熱かったのは、熱のせいだけじゃ、なかったと思う。
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