この世界は、真夏でできている。
夏休みが始まる最終日、私は課題をひとつ持って帰ってくるのを忘れたことを思い出し、

一度家に帰ったが学校に足を運び直した。

折角涼しい部屋についたのにまた学校へ向かうなんて、億劫で仕方ない。

お昼を食べて少し時間を置いたら、暑い暑いと言いながら、私は学校までまた辿り着く。

教室のドアを開けようとすると、中から黒羽が担任と話しているのが聞こえた。

すぐに扉を開こうとしたが、耳を疑うような会話をしていて、思わず手を止めてしまう。

「本当にクラスの奴らに言わなくてよかったのか?」

(黒羽、クラスのみんなに内緒にしてることがあるの?)

「大丈夫です」

漫画やアニメでよく見るような構図で、私はドアに耳を押し付ける。

「夏休み中にもう出るんだろ、日本」

(…え?)

「オックスフォードでも、頑張れよ」

「はい」


前にも、同じことがあった。

同じ、ことが。





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