この世界は、真夏でできている。
第四章 この世界は、真夏でできている。
中学2年の、夏頃だった。
白血病だと診断された。
医師から、ステージが進んでいて、進行を遅らせることは出来ても止めることは出来ないこと。
どんなにギリギリまで生きれたとしても、あと1年半の余命であることを告げられた。
その頃は、まさか自分の身に、こんなドラマみたいなことが起きるなんて、とか
そんな呑気なことを考えていた。
病院から出ると、ジリジリと夏の暑苦しい太陽が僕を焦がす。
隣に立つ母は、優しくも苦しい笑顔で、「帰ろっか」と告げた。
誰が見ても一目で、涙を堪えていると分かるくらい、痛々しい笑顔だった。
1番に浮かんだのは、彼女の顔だった。
僕は小学校の頃から、彼女に片想いしていた。
だけど、そんな彼女には、好きなやつがいたんだ。
いつも傍にいて、誰に聞いても彼女と言ったら、彼だと言う、そんなやつ。
きっと両想いで、僕の出る幕なんてない。
そんな中で、中学に上がるタイミングで、あいつがアメリカへ引っ越すことを聞いた。
最低にも、安堵したんだ。
もしかしたら、って。
彼から、彼女を奪えるかもしれないって。
こんなずるいタイミングでしか、僕には立ち向かう勇気なんて湧かなかった。
そんな中で、僕の余命は定められた。
きっと、バチが当たった。
真っ直ぐに戦うことから放棄して、
ずるい戦略で優介から、瑠夏を奪おうとして。
そう思っていたけど、突然の事だった。
白血病だと診断された。
医師から、ステージが進んでいて、進行を遅らせることは出来ても止めることは出来ないこと。
どんなにギリギリまで生きれたとしても、あと1年半の余命であることを告げられた。
その頃は、まさか自分の身に、こんなドラマみたいなことが起きるなんて、とか
そんな呑気なことを考えていた。
病院から出ると、ジリジリと夏の暑苦しい太陽が僕を焦がす。
隣に立つ母は、優しくも苦しい笑顔で、「帰ろっか」と告げた。
誰が見ても一目で、涙を堪えていると分かるくらい、痛々しい笑顔だった。
1番に浮かんだのは、彼女の顔だった。
僕は小学校の頃から、彼女に片想いしていた。
だけど、そんな彼女には、好きなやつがいたんだ。
いつも傍にいて、誰に聞いても彼女と言ったら、彼だと言う、そんなやつ。
きっと両想いで、僕の出る幕なんてない。
そんな中で、中学に上がるタイミングで、あいつがアメリカへ引っ越すことを聞いた。
最低にも、安堵したんだ。
もしかしたら、って。
彼から、彼女を奪えるかもしれないって。
こんなずるいタイミングでしか、僕には立ち向かう勇気なんて湧かなかった。
そんな中で、僕の余命は定められた。
きっと、バチが当たった。
真っ直ぐに戦うことから放棄して、
ずるい戦略で優介から、瑠夏を奪おうとして。
そう思っていたけど、突然の事だった。