この世界は、真夏でできている。
母親に頼み込み、2日間だけアメリカへ行かせてもらうことになった。
観光がしたかったわけではない。
ただ彼と話がしたかった。
僕は久々にみる名前にメッセージを入れ、2年ぶりに会う約束をした。
飛行機から見る空はどこまでも続いていて、どこか不安感を感じさせた。
(死にたくない)
こうやって、窓から空を見る度に、何度も何度も思っていたのだ。
反射して映った自分の姿に、反吐が出そうになる。
僕はニット帽を、深く被り直し、小さな窓を閉めた。
朝の便で出発し、現地に着いた時はちょうど昼過ぎ辺りであった。
人生初のアメリカに少しだけ胸が高なったが、そんな浮かれた気持ちはすぐに収まった。
母親は先にホテルへ向かわせ、
僕は彼のメッセージを確認し、待ち合わせの場所へ向かう。
日本ではなかなか見ない、森がある広い公園だった。
正直ここの公園を待ち合わせにしたのは間違いだったのではないかと思うほど広く、
目印の大きな噴水までたどり着くのにも中学3年の僕には本当に苦労した。
噴水と同時に、2年半ぶりに見る優介の顔を見つける。
彼はぐんと背が伸びていた。
僕に気づいた彼が、笑顔でこちらに向かってくる。
「久しぶり、東希。お前、めちゃくちゃ背伸びたな」
僕はまた、ニット帽を深く被り直す。
彼の笑顔は安心する。それにしても、彼も僕と同じことを思っていたのが、なんだか嬉しかった。
変わってしまったのは彼だけだとばかり思っていたから。
観光がしたかったわけではない。
ただ彼と話がしたかった。
僕は久々にみる名前にメッセージを入れ、2年ぶりに会う約束をした。
飛行機から見る空はどこまでも続いていて、どこか不安感を感じさせた。
(死にたくない)
こうやって、窓から空を見る度に、何度も何度も思っていたのだ。
反射して映った自分の姿に、反吐が出そうになる。
僕はニット帽を、深く被り直し、小さな窓を閉めた。
朝の便で出発し、現地に着いた時はちょうど昼過ぎ辺りであった。
人生初のアメリカに少しだけ胸が高なったが、そんな浮かれた気持ちはすぐに収まった。
母親は先にホテルへ向かわせ、
僕は彼のメッセージを確認し、待ち合わせの場所へ向かう。
日本ではなかなか見ない、森がある広い公園だった。
正直ここの公園を待ち合わせにしたのは間違いだったのではないかと思うほど広く、
目印の大きな噴水までたどり着くのにも中学3年の僕には本当に苦労した。
噴水と同時に、2年半ぶりに見る優介の顔を見つける。
彼はぐんと背が伸びていた。
僕に気づいた彼が、笑顔でこちらに向かってくる。
「久しぶり、東希。お前、めちゃくちゃ背伸びたな」
僕はまた、ニット帽を深く被り直す。
彼の笑顔は安心する。それにしても、彼も僕と同じことを思っていたのが、なんだか嬉しかった。
変わってしまったのは彼だけだとばかり思っていたから。