この世界は、真夏でできている。
ー僕が初めてここへ来たのは、彼女の恋人とであった。

…というより、彼女の婚約者である、中森翔之助とであった。


友人である彼が、羨ましくて堪らなかった。

彼女の傍で笑えるのも彼

彼女との子孫を残せるのも彼

彼女からの愛を貰えるのも彼


僕は、こんなにも愛しているのに。


僕は、彼女のストーカーだった。


だから僕は、彼をここへ呼び


崖から突き落とした。


僕 は 彼 を 殺 し た 。ー
< 169 / 231 >

この作品をシェア

pagetop