この世界は、真夏でできている。
久々に外へ出ても、別に特に何も感じなかった。

彩絵はもしかしたら気を使わせて外へ促したのかもしれないが、

これといって心境に変化はない。

「どこ行くの?」

「Leaf Cafe。」

「えぇっ!?ねぇ、私まだ優介の顔見れないよ」

「大丈夫、優介今日シフト入ってないから。

黒羽に会いに行くの。」

駅も今日が雨天だからか、人はそこまで賑わっておらず、

30分ほど電車に揺られ千田丘駅へ向かった。

電車を降りると、向こうよりも雨の勢いは弱まっている。

再び傘を広げ、彼女と横になって歩く。

< 179 / 231 >

この作品をシェア

pagetop