この世界は、真夏でできている。
彼女の涙の理由が分かったのは、それから1週間程して立った昼休みだった。

クラスメイトが僕の悪口を言い、それに彼女が、泣きながら反論している所を見かけた。

そんなことで?と思った。

誰かが誰かの悪口なんて、日常茶飯事じゃないか。

僕だって、悪口くらい言ったことあるのに。

どうして彼女は、たったそんな小さなことで、

僕のために涙を流すことが出来たんだろう。


僕はうざいと思った。

うざいくらいに、一瞬にして

彼女に心が奪われたのが、自分でもよくわかった。

その日から、僕の初恋が始まった。
< 21 / 231 >

この作品をシェア

pagetop