この世界は、真夏でできている。
5年生に上がる頃には、彼女の泣き虫もだいぶ軽減されて、

きっと、あの日僕のために泣いていたことなんて覚えてもいないと思う。

その日から、僕は何かと彼女を気にかけるようになった。

周りから、誰が見ても「仲良いね」と言われるほど、

僕ら2人はいつも一緒だった。

仲良くなればなるほど、僕は彼女に惹かれていたけど、

彼女がいつも見ていたのが誰かが、

僕はよく知っている。

6年生に上がり、彼と同じクラスになった。


僕よりも、彼女よりも背の低い、

ぱっちりした目が印象的だった。

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