この世界は、真夏でできている。
机の上に置かれた小さなカレンダーの方へと目をやると、
“26日”がペンで囲われている。

信じたくないという思いで、僕はカレンダーを思いっきり伏せてやった。

途端、そのすぐ横に置いていた、

去年の誕生日に両親に購入してもらった自分用のスマホがリズミカルに鈴の音を鳴らした。

画面を見れば彼女の…、

瑠夏の名前が記されている。
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