この世界は、真夏でできている。
見覚えのある顔だ。

店員さんは「久しぶり」と僕に話しかけ、僕もすぐに誰だかわかった。

彼は彼女のお兄さんだった。

僕らはお兄さんのあとに続き、プリクラコーナーへ入ると、彼女に従うままプリクラを撮った。

生まれて初めて撮ったプリクラは、なんだかこっぱずかしくて、

出てきたシールを僕にもくれたが直視することを躊躇ってしまう。

シールを財布の中へしまい、彼女は今度はお化け屋敷に入ろうと言い出した。
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