この世界は、真夏でできている。
「誰?」


予想外の返事に、

心臓はより一層、鼓動を増した。

声が、異常なまでに、冷たかった。

人違い…?だったのではないかと疑うほどに。

「…え?」

「あー…。すんません。」

彼は背を向け、また歩き出していってしまった。

「今の…って、優介?優介って、小学生の頃…」と後ろで彩絵が話している。

「あっ!!!」と、私は彼女の話を遮る。

「メイクしてたから気づかなかったんだ!私もう1回話しかけてくる!」

「は!?ちょっ、学校は!?」
「あとで行く!!」

私は、汗を流したまま、また彼を追いかけて走ったた。
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