この世界は、真夏でできている。
「優介!!」

私はまた大声を上げる。

昨日から一日がたち、

偶然にも、今日もまた彼が歩く姿を見つけたのだ。

必死で追いかけるが、全然追いつけない。

なんだか異様に歩くスピードが早くない?

「だからさ、みんな決めてるのに私だけ置いてかれてる感じがしちゃってさぁー。」

優介の首根っこをぐいっと掴み、「ヴェっ。」と言う声を漏らして

結局折れて私に歩くスピードを合わさせた。

「ふうん。てかお前そんなのんびり歩いてていいの?」

「今日は余裕もって出てきたから平気!」

「どうりで、今日は家出る時間変えたのに会ってしまったわけだ。」
と言わんばかりの顔で、彼は私を睨んでいる。

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