この世界は、真夏でできている。
えぇー、と顔を(しか)めた彼は、ん、と言って手を輪っかにして私の前に差し出した。

「…何?」と問いかけると、

「どうして無理なのか100文字以上200文字以内に答えたまえ」と返してきた。

まだ顔を顰めている。

どうやら輪っかにされた手は、エアーマイクのつもりらしい。

私ははぁ、とひとつ溜息をつき、

「好きな人と帰るの!!」と答えた。
< 6 / 231 >

この作品をシェア

pagetop