この世界は、真夏でできている。
小学校6年の時、私は彼と出会った。

今年初めて同じクラスになった、私よりずっと背の低い男の子。

背が低いこともあってか、他の男子みたいにむさ苦しい感じとか、

熱い空気とかが一切感じられなくて、

彼の周りを纏う空気はいつもさらっとしていた。

夏休みにみんなでお祭りに行くことになり、

慣れない下駄を履いたせいで靴擦れしてしまった私を、

彼だけが気づき、手当してくれた。

その頃ぐらいから、私は彼に、

藤原 東希(ふじわら とうき)に恋をしていたのだ。


今日のお昼休みの時に、その彼の方から提案され、一緒に帰ることになっていた。
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