この世界は、真夏でできている。
それから次の日に回ったのは焼肉食べ放題、次はしゃぶしゃぶ、

バイトで会わずまた違う焼き肉屋。

「こんなんで良いのかよ」

そんな1週間が続いたところで、僕は彼女に投げかけた。

「何が??」

彼女は今来ているラーメン屋のラーメンを一気に啜った。

「思い出の旅とか言って、食べてばっかじゃねえか」


この一週間、僕の思い出を巡るつもりが、いつのまにか彼女の食べたいものばかり通っているのではないか。

「そんなんじゃないってば。あと思い出の旅じゃなくてメモリーズの旅」

「嘘つけよ。ラーメン屋にどんな思い出があんだよ。」

彼女は図星をつかれたように、黙りこくった。
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