この世界は、真夏でできている。
「そりゃ、もう、すっごいやつ。」

絞り出したその言葉と共に誇らしげに彼女は腕を組むが、その姿はまるで小学生だ。

僕は箸を持ったまま、それはそれは深いため息を吐いた。

「お前なぁ。ふざけてんなら俺は」

「わかってる!」

彼女は麺をかっ、とかきこみ、そのまま一気にスープまで飲み干した。

「明日はちゃんとしたとこ行こ。」

「…ちゃんとしたとこって?」

「それは行ってからのお楽しみでしょ。」

ちなみにここのラーメン屋は何も悪くない。

濃厚なスープはコクが聞いてて、麺は絶妙な歯ごたえでめちゃくちゃ美味かった。

また来たいと思った。
< 71 / 231 >

この作品をシェア

pagetop