この世界は、真夏でできている。
すぐ近所だった駄菓子屋とは違い、そのおばあちゃんのお墓の場所は

電車で何時間も飛ばさなければならないような場所にあった。

そんな遠くにも関わらず、思い立ちで起こした僕の行きたい、

という欲に彼女はすぐさま応じてくれた。

私ももう何年も行けてなかった、と言い僕らは2人、電車の中にひたすら揺られていた。

終点から1つ手前の駅員もいない小さな駅で降車し、

その頃にはただでさえ夏休みと時間帯で全然人のいなかった電車の乗客はスカスカになっていた。

そこからまた20分ほど歩いたところに墓地が見えてきた。
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