この世界は、真夏でできている。
早速次の日には真っ先に面接へ向かった。

海沿いの道路の前に、何台か車が停められそうな駐車場のついた

いかにも観光地とされていそうなカフェが佇んでいる。

看板にはツルハが描かれた洒落た筆記体で“Leaf Cafe”と書かれている。

正直、急募という文字だけでやってきた為、思ったより遠かったのと、

中のお洒落さには少し驚いた。

店長だと名乗る人は裏で面接を行うのだとばかり思っていたが、

案内されたのはお客さんが普通に使う席の一角だった。

どうぞ、とお水を持ってきてくれたお兄さんは、思わず男である俺でさえ

「かっこよっ、!」と声が出てしまいそうになるほど爽やかなイケメンだった。

「店長、優しいから大丈夫ですよ」
と言い、彼は仕事に戻った。

あまりに爽やかで、ここでやって行けるか少々不安だった。
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