この世界は、真夏でできている。
本は既に半分まで差し掛かっている。

ここまではただの普通の恋愛小説だ。

自分たちと境遇の似た。

少し前のページで、

この小説の表紙は樹木に括り付けられるように咲く白い花だけが描かれており、

どちらかというと少し不穏感を漂わせていたため、もう少し捻りのある話だとばかり思っていた。

こんなもんか、と無論、がっかりはしたがなぜか読む手を止められず、

とりあえず最後まで読むことに決めている。

自分の中で、どこか引っかかる部分があるような気がしてならない。

それはこの本に対してなのか、はたまた自分の記憶についてなのか…。
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