寵愛のいる旦那との結婚がようやく終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい
三十六
家に戻りお風呂で汗を流して、軽く昼食を取ってミリア亭に行く準備が終わった。
「一時半か……」
あの様子だと、カートラお兄様達がミリア亭に来ているかも、わたしは急いでミリア亭に向う。その向かう途中、すれ違った男性に声をかけられた。
「リーヤちゃん、そんなに急いで、どうしたの?」
「あ、……こんにちは、ミカさん」
声をかけたのは雑貨屋のミカ
彼はお店にいるときのエプロン姿とは違い、ジャケットとスラックスの姿だった。
「ミカさんはいまから、お出かけですか?」
「うん。友達からね、良い品が入ったと連絡が来たから、近くの街まで仕入れに行ってくるよ」
(よい品物、新商品だわ。明日、帰りに見に行こうと)
ミカの雑貨屋の品物は可愛い雑貨から、変わった物、食器類、家具などもたくさんあって、一日中見ていても飽きない。
「気をつけてね、ミカさん」
「行ってくるね、リーヤも気をつけて」
手を振りミカと別れてミリア亭に向かうと、店の前には、見慣れた背の高い男性が二人いた。
(カートラお兄様とランドル様だ、やっぱり来ていたわ)
「カートラお兄様、ランドル様」
「リイーヤ、来たぞ」
「ごめんね、リイーヤちゃん。カートラが早く行こうって急かすから、来る時間が早かったよね」
さっき着ていたリルガルド国の鎧を脱ぎ、シャツとベッド、スラックスの楽な服装のランドル様と、シャツとスラックスのカートラお兄様。
「ここで少しお待ちください。店主のミリアさんが来ていると思うので伝えてきます」
「ああ、よろしく」
「よろしくね」
ミリア亭の入り口を開けると、カランコロンとドアベルが鳴る。いつもの様に厨房で、仕込み中をしていると思い声をかけた。
「ミリアさん、こんにちは」
「あ、リーヤ、ちょうど良いところに来た!」
「え、ミリアさん!!」
厨房ではなく、側でフラフラと危なく、脚立の上に立つミリアがいた。
「危ないです、ミリアさん」
「ここのランプの魔石が切れてね、リーヤ、脚立の足元押さえて」
「は、はい」
ランプの魔石を交換しようとするミリア。
だけど。
「ん、手が届かないな……これは、アサトかナサが来てから、やって貰うか」
切れてしまったランプは、少し高い位置で、ミリアでは届かなかった。ミリアが届かないとなると、ミリアより身長が低いわたしでは無理な位置だ。
交換をあきらめて、ミリアが脚立から降りようとしたとき、カランコロンと店のドアが開いた。
「リイーヤ、店主との話はまだか?」
「カートラ、勝手に開けちゃ、ダメだって」
「お兄様……」
(待てなかったのね)
「ん? お兄様? って、リーヤのお兄さんかい?」
まだミリアに二人の話をする前だったのに、外で待てず入ってきてしまった、ガタイのよい男性二人にミリアは驚いた。
わたしは急いで二人を紹介する。
「ミリアさん、こちらがリルガルド国で騎士団長をしている、わたしのお兄様カートラで。こちらは同じリルガルド国で、副団長をされているランドル様です」
「へえ、この前に来たのはリーヤの弟だと言っていたね。今度はリルガルドで騎士団長と副団長か来たのかい。それにしても、二人ともなかなか良い体をしてるね」
ミリアがカートラお兄様と、ランドル様を交互に見てニカッと笑った。
「ちょうど、いい時に来てくれたね。ランプの魔石を変えるのを、ちょっと手伝ってくれない?」
指を上に指し、お兄様とランドル様にランプの魔石交換を頼んだ。お兄様とランドル様は頷き。
「わかった、手伝おう」
「おお、話がわかるね。火の魔石は素手で触ってはダメだから、この魔石専用グローブを付けてランプの蓋を開け、中の平たい受け皿に火の魔石を入れて欲しい」
お兄様は説明を受けたあと脚立の上に乗り、ランドル様が脚立の足を持った。
「ミリア、何処の魔石が切れているんだ?」
「えっと、目の前にぶら下がるランプと、その二、三個左隣のランプかな」
「コレとアレか、わかった」
カートラお兄様はランプの蓋を開けて、中の切れた魔石を取り出した。
「リイーヤ、これ持って」
「はい」
切れてしまった魔石は手で触っても平気なので、お兄様に貰い、新しい魔石が入っている魔石箱ごと渡した。
「これでよし、交換は終わった。ミリア、他に交換するランプはないか?」
「じゃあ、厨房中のもお願いするよ」
「どこだ?」
ミリアはカートラお兄様とランドル様を連れて厨房の中に入っていき、厨房のランプの魔石交換をお願いした。しばらくして、ミリア亭の切れたランプ交換が全て終わった。
「これで、全て終わり。ありがとう助かったよ、コーヒーと何か食べるかい?」
「いいのか? いただく」
「はい、お願いします」
ミリアはコーヒーをいれて、チキンのトマト煮込みと焼きたてのパン、グリーンサラダを用意した。
「リーヤ、お兄さん方に料理を運んで」
「はーい、カートラお兄様、ランドル様、好きな場所に座って」
お兄様とランドル様が、店の奥のテーブル席に着くのを見て料理を運んだ。二人はミリアの料理を前にして瞳を細める。
「いい匂い、美味そうだ。ランドル、昼食がまだだったから助かるな」
「ええ、いただきます」
「一時半か……」
あの様子だと、カートラお兄様達がミリア亭に来ているかも、わたしは急いでミリア亭に向う。その向かう途中、すれ違った男性に声をかけられた。
「リーヤちゃん、そんなに急いで、どうしたの?」
「あ、……こんにちは、ミカさん」
声をかけたのは雑貨屋のミカ
彼はお店にいるときのエプロン姿とは違い、ジャケットとスラックスの姿だった。
「ミカさんはいまから、お出かけですか?」
「うん。友達からね、良い品が入ったと連絡が来たから、近くの街まで仕入れに行ってくるよ」
(よい品物、新商品だわ。明日、帰りに見に行こうと)
ミカの雑貨屋の品物は可愛い雑貨から、変わった物、食器類、家具などもたくさんあって、一日中見ていても飽きない。
「気をつけてね、ミカさん」
「行ってくるね、リーヤも気をつけて」
手を振りミカと別れてミリア亭に向かうと、店の前には、見慣れた背の高い男性が二人いた。
(カートラお兄様とランドル様だ、やっぱり来ていたわ)
「カートラお兄様、ランドル様」
「リイーヤ、来たぞ」
「ごめんね、リイーヤちゃん。カートラが早く行こうって急かすから、来る時間が早かったよね」
さっき着ていたリルガルド国の鎧を脱ぎ、シャツとベッド、スラックスの楽な服装のランドル様と、シャツとスラックスのカートラお兄様。
「ここで少しお待ちください。店主のミリアさんが来ていると思うので伝えてきます」
「ああ、よろしく」
「よろしくね」
ミリア亭の入り口を開けると、カランコロンとドアベルが鳴る。いつもの様に厨房で、仕込み中をしていると思い声をかけた。
「ミリアさん、こんにちは」
「あ、リーヤ、ちょうど良いところに来た!」
「え、ミリアさん!!」
厨房ではなく、側でフラフラと危なく、脚立の上に立つミリアがいた。
「危ないです、ミリアさん」
「ここのランプの魔石が切れてね、リーヤ、脚立の足元押さえて」
「は、はい」
ランプの魔石を交換しようとするミリア。
だけど。
「ん、手が届かないな……これは、アサトかナサが来てから、やって貰うか」
切れてしまったランプは、少し高い位置で、ミリアでは届かなかった。ミリアが届かないとなると、ミリアより身長が低いわたしでは無理な位置だ。
交換をあきらめて、ミリアが脚立から降りようとしたとき、カランコロンと店のドアが開いた。
「リイーヤ、店主との話はまだか?」
「カートラ、勝手に開けちゃ、ダメだって」
「お兄様……」
(待てなかったのね)
「ん? お兄様? って、リーヤのお兄さんかい?」
まだミリアに二人の話をする前だったのに、外で待てず入ってきてしまった、ガタイのよい男性二人にミリアは驚いた。
わたしは急いで二人を紹介する。
「ミリアさん、こちらがリルガルド国で騎士団長をしている、わたしのお兄様カートラで。こちらは同じリルガルド国で、副団長をされているランドル様です」
「へえ、この前に来たのはリーヤの弟だと言っていたね。今度はリルガルドで騎士団長と副団長か来たのかい。それにしても、二人ともなかなか良い体をしてるね」
ミリアがカートラお兄様と、ランドル様を交互に見てニカッと笑った。
「ちょうど、いい時に来てくれたね。ランプの魔石を変えるのを、ちょっと手伝ってくれない?」
指を上に指し、お兄様とランドル様にランプの魔石交換を頼んだ。お兄様とランドル様は頷き。
「わかった、手伝おう」
「おお、話がわかるね。火の魔石は素手で触ってはダメだから、この魔石専用グローブを付けてランプの蓋を開け、中の平たい受け皿に火の魔石を入れて欲しい」
お兄様は説明を受けたあと脚立の上に乗り、ランドル様が脚立の足を持った。
「ミリア、何処の魔石が切れているんだ?」
「えっと、目の前にぶら下がるランプと、その二、三個左隣のランプかな」
「コレとアレか、わかった」
カートラお兄様はランプの蓋を開けて、中の切れた魔石を取り出した。
「リイーヤ、これ持って」
「はい」
切れてしまった魔石は手で触っても平気なので、お兄様に貰い、新しい魔石が入っている魔石箱ごと渡した。
「これでよし、交換は終わった。ミリア、他に交換するランプはないか?」
「じゃあ、厨房中のもお願いするよ」
「どこだ?」
ミリアはカートラお兄様とランドル様を連れて厨房の中に入っていき、厨房のランプの魔石交換をお願いした。しばらくして、ミリア亭の切れたランプ交換が全て終わった。
「これで、全て終わり。ありがとう助かったよ、コーヒーと何か食べるかい?」
「いいのか? いただく」
「はい、お願いします」
ミリアはコーヒーをいれて、チキンのトマト煮込みと焼きたてのパン、グリーンサラダを用意した。
「リーヤ、お兄さん方に料理を運んで」
「はーい、カートラお兄様、ランドル様、好きな場所に座って」
お兄様とランドル様が、店の奥のテーブル席に着くのを見て料理を運んだ。二人はミリアの料理を前にして瞳を細める。
「いい匂い、美味そうだ。ランドル、昼食がまだだったから助かるな」
「ええ、いただきます」