寵愛のいる旦那との結婚がようやく終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい
三十九
話を聞いていくうちにわかっていく、みんなも皇太子には手を焼かされているのだと。そしてみんな口々に関わりたくないと言った。
(三ヶ月後の舞踏会で皇太子にお会いしたとき、何か言われそうね……フウッ)
この変な空気を崩すように、ミリアは厨房からみんなに声をかけた。
「はい、この話はここまでね。みんなはトマトのチキン煮込みとパンのおかわりいるかい? リーヤは厨房に入ってパンケーキを焼く!」
「はい、わかりました」
「ミリア、チキン煮込み、おかわり」
「私もおかわりをお願いします」
アサトとロカはおかわりをお願いした。
ナサはというと、カウンターで食事を終えて、どうやらわたしのパンケーキ待ちのようだ。
わたしは厨房でパンケーキの準備に取りかかった。今朝、行商から届いたばかりの卵の黄身と牛乳、砂糖をボールで混ぜ、粉をふるい混ぜ合わせる。
次に卵白と砂糖を加えてかき混ぜメレンゲを作り、少しずつヘラで、練らないように混ぜ合わせてれば生地の完成。
「よし、あとは焼くだけ」
バターを引いたフライパンを一旦温めて、濡れ布巾で冷ましたフライパンにパンケーキの生地を流し入れて、弱火で焼きふつふつと気泡がはじけたらひっくり返す。
(いつも焼くときの火加減が強すぎて、パンケーキを焦がしちゃうから、気をつけないと……)
必要な話を知らせ終えたカートラお兄様は、厨房で働きだした、わたしに、
「へえー、なかなか手慣れなもんだな」
「そう? でもまだ見習いだから……屋敷のコック、ミリアさんよりは手際が悪いけど」
「ハハハッ、そんなの当たり前だろう。長年やっている料理のプロと比較するな……その、リイーヤが作るパンケーキ美味そうだな、俺にも焼いて欲しい」
すかさずランドル様も手を上げて。
「私もリイーヤちゃんの、パンケーキをいただきたいです」
「わかりました。出来上がるまでそこで大人しく、待っていてください」
お兄様とランドル様はナサの隣に座り、カウンターから、わたしが焼くパンケーキを楽しそうに眺めはじめた。
「パンケーキの甘い、美味そうな匂いだな。また食欲をそそる」
「そうですね」
「ん? リーヤのパンケーキが焼けるまで、お兄さんたちもトマトのチキン煮込み、おかわりするかい?」
そう聞かれてたお兄様とランドル様は、二人で見合ったあと食べると頷き、おかわりをもらいカウンター席で食べ始めた。
「いただきます、さっきも食べたが……コレは中々美味いな」
「ええ、チキンがとても柔らかくて、何よりこのトマトスープが美味しい。チキンを食べ終え、残ったトマトスープをパンにつけて食べるのが、これまた絶品です」
「フフ、ありがとよ。お兄さんたち、嬉しいことを言ってくれるね」
わたしはパンケーキを焼きながら、ランドル様のチキンのトマト煮込みな感想にゴクリと喉を鳴らした。
(何々、トマトスープが絶品なの……? わたしも柔らかいチキンを食べて、残ったトマトスープをパンに付けて食べたい)
「シッシシ、リーヤ、よだれが出てるぞ」
「え、うそ?」
口元を触り慌ていると、意地悪な表情のナサ。
「シッシシ、うそだ!」
「え、もう、ナサ意地悪しないで! ……ミリアさん、わたしもトマト煮込み食べたいです」
手を洗い、隣で料理をするミリアにお願いした。
「フフ、わかった。みんなのパンケーキを焼き終わったら、リーヤにもチキンのトマト煮込みを用意してあげる」
「やったぁ!!」
「おい、目を離すな、ホットケーキ焦げてるぞ」
「え、あ、た、大変……!」
ナサに言われて直ぐにパンケーキをひっくり返す、少しこんがりキツネ色になったけど、食べられなくはない。
「ナサ、教えてくれてありがとう」
「それ、俺が貰おうか?」
「ダメ、これはわたしが食べるから、ナサには綺麗に焼けたパンケーキをどうぞ」
焼き上がっているパンケーキをナサの前に出した。
「おお、美味そうなパンケーキだ」
ナサは嬉しそうに受け取り、バターと蜂蜜をタップリかけて食べ始めた。
「ンン! フワフワで美味い。リーヤ、パンケーキをもう一枚よろしく」
「わかりました」
パンケーキの甘い匂いにつられて、いつもの席からカヤとリヤもカウンターに座り。
「僕にもパンケーキ!」
「僕も、パンケーキ!」
「はい、二人にも焼きたてのパンケーキをどうぞ」
と言って、分厚いパンケーキをカウンターに置いた。二人はそれを見てニッコリ笑い、瞳をキラキラさせた。
「やった、大きいパンケーキだ!」
「ほんとうだ、大きい! リーヤ、ありがとう」
「熱いうちに食べてね」
「「うん!」」
二人もナサと同じくバターに蜂蜜をたっぷりかけて、大きな口を開けてパンケーキを食べ始める。後はアサトとロカ、カートラお兄様とランドル様、ミリアさんの分を焼いた。
次々と焼き上がけて、みんなの元にパンケーキを運んだ。
「アサトさん、ロカさん、どうぞ」
「リーヤ、ありがとう」
「これは美味しそうです、いただきます」
お兄様とランドル様、ナサにもう一枚渡して、ミリアさんの分を焼いて、あとは生地がなくなるまでパンケーキを焼いたのだった。
(三ヶ月後の舞踏会で皇太子にお会いしたとき、何か言われそうね……フウッ)
この変な空気を崩すように、ミリアは厨房からみんなに声をかけた。
「はい、この話はここまでね。みんなはトマトのチキン煮込みとパンのおかわりいるかい? リーヤは厨房に入ってパンケーキを焼く!」
「はい、わかりました」
「ミリア、チキン煮込み、おかわり」
「私もおかわりをお願いします」
アサトとロカはおかわりをお願いした。
ナサはというと、カウンターで食事を終えて、どうやらわたしのパンケーキ待ちのようだ。
わたしは厨房でパンケーキの準備に取りかかった。今朝、行商から届いたばかりの卵の黄身と牛乳、砂糖をボールで混ぜ、粉をふるい混ぜ合わせる。
次に卵白と砂糖を加えてかき混ぜメレンゲを作り、少しずつヘラで、練らないように混ぜ合わせてれば生地の完成。
「よし、あとは焼くだけ」
バターを引いたフライパンを一旦温めて、濡れ布巾で冷ましたフライパンにパンケーキの生地を流し入れて、弱火で焼きふつふつと気泡がはじけたらひっくり返す。
(いつも焼くときの火加減が強すぎて、パンケーキを焦がしちゃうから、気をつけないと……)
必要な話を知らせ終えたカートラお兄様は、厨房で働きだした、わたしに、
「へえー、なかなか手慣れなもんだな」
「そう? でもまだ見習いだから……屋敷のコック、ミリアさんよりは手際が悪いけど」
「ハハハッ、そんなの当たり前だろう。長年やっている料理のプロと比較するな……その、リイーヤが作るパンケーキ美味そうだな、俺にも焼いて欲しい」
すかさずランドル様も手を上げて。
「私もリイーヤちゃんの、パンケーキをいただきたいです」
「わかりました。出来上がるまでそこで大人しく、待っていてください」
お兄様とランドル様はナサの隣に座り、カウンターから、わたしが焼くパンケーキを楽しそうに眺めはじめた。
「パンケーキの甘い、美味そうな匂いだな。また食欲をそそる」
「そうですね」
「ん? リーヤのパンケーキが焼けるまで、お兄さんたちもトマトのチキン煮込み、おかわりするかい?」
そう聞かれてたお兄様とランドル様は、二人で見合ったあと食べると頷き、おかわりをもらいカウンター席で食べ始めた。
「いただきます、さっきも食べたが……コレは中々美味いな」
「ええ、チキンがとても柔らかくて、何よりこのトマトスープが美味しい。チキンを食べ終え、残ったトマトスープをパンにつけて食べるのが、これまた絶品です」
「フフ、ありがとよ。お兄さんたち、嬉しいことを言ってくれるね」
わたしはパンケーキを焼きながら、ランドル様のチキンのトマト煮込みな感想にゴクリと喉を鳴らした。
(何々、トマトスープが絶品なの……? わたしも柔らかいチキンを食べて、残ったトマトスープをパンに付けて食べたい)
「シッシシ、リーヤ、よだれが出てるぞ」
「え、うそ?」
口元を触り慌ていると、意地悪な表情のナサ。
「シッシシ、うそだ!」
「え、もう、ナサ意地悪しないで! ……ミリアさん、わたしもトマト煮込み食べたいです」
手を洗い、隣で料理をするミリアにお願いした。
「フフ、わかった。みんなのパンケーキを焼き終わったら、リーヤにもチキンのトマト煮込みを用意してあげる」
「やったぁ!!」
「おい、目を離すな、ホットケーキ焦げてるぞ」
「え、あ、た、大変……!」
ナサに言われて直ぐにパンケーキをひっくり返す、少しこんがりキツネ色になったけど、食べられなくはない。
「ナサ、教えてくれてありがとう」
「それ、俺が貰おうか?」
「ダメ、これはわたしが食べるから、ナサには綺麗に焼けたパンケーキをどうぞ」
焼き上がっているパンケーキをナサの前に出した。
「おお、美味そうなパンケーキだ」
ナサは嬉しそうに受け取り、バターと蜂蜜をタップリかけて食べ始めた。
「ンン! フワフワで美味い。リーヤ、パンケーキをもう一枚よろしく」
「わかりました」
パンケーキの甘い匂いにつられて、いつもの席からカヤとリヤもカウンターに座り。
「僕にもパンケーキ!」
「僕も、パンケーキ!」
「はい、二人にも焼きたてのパンケーキをどうぞ」
と言って、分厚いパンケーキをカウンターに置いた。二人はそれを見てニッコリ笑い、瞳をキラキラさせた。
「やった、大きいパンケーキだ!」
「ほんとうだ、大きい! リーヤ、ありがとう」
「熱いうちに食べてね」
「「うん!」」
二人もナサと同じくバターに蜂蜜をたっぷりかけて、大きな口を開けてパンケーキを食べ始める。後はアサトとロカ、カートラお兄様とランドル様、ミリアさんの分を焼いた。
次々と焼き上がけて、みんなの元にパンケーキを運んだ。
「アサトさん、ロカさん、どうぞ」
「リーヤ、ありがとう」
「これは美味しそうです、いただきます」
お兄様とランドル様、ナサにもう一枚渡して、ミリアさんの分を焼いて、あとは生地がなくなるまでパンケーキを焼いたのだった。