寵愛のいる旦那との結婚がようやく終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい
八十九
「ちょっと待て、守護竜の片割れがいないのだよな。だとしたら、モンスターが暴れてこの地は崩壊していてもおかしくない!」
「そうです、土地を見守る竜……ですから」
カートラお兄様とランドルはナサのお父様に意見する。
『お、気付いたか。そうだ守護竜がいなくなる、その土地は天候、実り、あらゆる天候災害が起こるし、竜を恐れて動かずにしていたモンスターが動く』
しかし天候は至って普通、実りもある。そうなると守護竜の片割れはどこかで生きていることになる? ハッとみんなも気付いたみたい。
「ごめんなさい、ごめんなさい……」
細く、体を駆使してきたのかいまにも倒れそうな竜。
ツカツカとロカはその竜に近付き、尻尾にコツンと己の杖を当てた。驚くみんなと、触られた竜は困惑した。
「大丈夫、何もいたしません。いまにも倒れそうなあなたを助ける為に、私の魔力を少しですがお渡し致しましょう。それにしても同種族ですが立派な尻尾ですね……しかし、魔力がほとんど感じられません。ほんとうなら立っているのも苦しいはず」
ロカのそばにミカも行き、竜に魔力を渡した。
「どうぞ、貰ってください」
竜はプルプル体を揺らして、
「ブフェッ、エッエッ……優しい、久しぶりに優しくされた、ありがとう、ありがとう……ブフェッ、エッエッ」
大量の涙を流して、竜は二人にお礼をずっと言った。
その様子にナサは首を捻り。
「片割れしかいない土地ーーしかし、この土地で天変地異は起きていない、となると、竜の番は生きているのか? しかし、いままで竜の話は聞いたことがない、片割れは何処にいるんだ?」
「だよな、俺たちには探しようがない」
二人の話を聞いていたミカは、あることに気がつく。
「ロカ、感じませんか? この子の魔力って私達が中央区に入れないよにするために張っている、結界に似ていと思いませんか?」
そう言われたロカはスーッと息を吸い、魔力を集中した、竜の魔力を感じ取ったのか瞳が開く。
「!! ほんとうです。ミカの言う通り、結界の魔力と、どことなく似ていますね」
ガレーン国が北区に亜人の住民が増えた五年前から、亜人達が人の地区に入れないよう張っている結界。その魔力がこの竜の魔力と似ているというのは。国の結界を張っているのは、もしかすると竜の片割れの可能性がある。
「じゃ、ミカさんとロカさんの言う通りだったら、彼女の番は中央区の何処かにいるということ?」
「だな、リーヤの言う通りかもな。いま、各国から集まる貴族を守るための警備強化注意。舞踏会後の国王祭でオレ達ーー亜人隊は日中は中央区と北区の境の警備をしたり、国王祭のひとつの見せ物で闘技場でガーレン国の騎士、リルガルドの騎士の模擬戦、アサトとオレは戦いがある。その為に結界は消されてるんじゃなかったかな? 番を探すチャンスか?」
「え、カートラお兄様達だけじゃなくて、ナサとアサトさんも戦うの?」
皇太子とか舞踏会のことでいっぱいだったからか、ナサからそんな話は聞いていない。……いいな、わたしも混ざりたいじゃない、ナサとアサトさんが見せ物とか嫌だわ。
「……リイーヤ」
「リイーヤちゃん」
うっ、カートラお兄様とランドル様の視線が……
「……シッシシ、リーヤ、オレたちにまざりたいと思ったのか。まっ、オレ達も見せ物になるのは嫌だが、そのぶん見返りも多いんだ。それに出ると金と装備、食料がたくさんもらえるし、なんと休みが三日貰えるんだ!」
「休みが、三日も貰えるの?」
だったら、休みの日にナサと遠出に行けるし、わたしの家に泊まりにきてもらえる。
それは嬉しいのだけど……
「他の令嬢や女性、騎士の女性がナサの戦う姿を見て、カッコいいとか思うのは嫌だわ!」
と、拗ねた物言いのわたしに、ナサの顔は真っ赤。
周りのみんなは"ブッ"と吹き出した。
『ハッハハ、息子よ、良かったな。嫁にずいぶんと愛されているな。人は亜人を見ても一部の人は惚れるかもしれんが、あとはおびえるだけだ。そうだろみんな!」
ナサのお父様の言葉にみんな頷き、竜も、カートラお兄様とランドル様も頷いた。
「そうです、土地を見守る竜……ですから」
カートラお兄様とランドルはナサのお父様に意見する。
『お、気付いたか。そうだ守護竜がいなくなる、その土地は天候、実り、あらゆる天候災害が起こるし、竜を恐れて動かずにしていたモンスターが動く』
しかし天候は至って普通、実りもある。そうなると守護竜の片割れはどこかで生きていることになる? ハッとみんなも気付いたみたい。
「ごめんなさい、ごめんなさい……」
細く、体を駆使してきたのかいまにも倒れそうな竜。
ツカツカとロカはその竜に近付き、尻尾にコツンと己の杖を当てた。驚くみんなと、触られた竜は困惑した。
「大丈夫、何もいたしません。いまにも倒れそうなあなたを助ける為に、私の魔力を少しですがお渡し致しましょう。それにしても同種族ですが立派な尻尾ですね……しかし、魔力がほとんど感じられません。ほんとうなら立っているのも苦しいはず」
ロカのそばにミカも行き、竜に魔力を渡した。
「どうぞ、貰ってください」
竜はプルプル体を揺らして、
「ブフェッ、エッエッ……優しい、久しぶりに優しくされた、ありがとう、ありがとう……ブフェッ、エッエッ」
大量の涙を流して、竜は二人にお礼をずっと言った。
その様子にナサは首を捻り。
「片割れしかいない土地ーーしかし、この土地で天変地異は起きていない、となると、竜の番は生きているのか? しかし、いままで竜の話は聞いたことがない、片割れは何処にいるんだ?」
「だよな、俺たちには探しようがない」
二人の話を聞いていたミカは、あることに気がつく。
「ロカ、感じませんか? この子の魔力って私達が中央区に入れないよにするために張っている、結界に似ていと思いませんか?」
そう言われたロカはスーッと息を吸い、魔力を集中した、竜の魔力を感じ取ったのか瞳が開く。
「!! ほんとうです。ミカの言う通り、結界の魔力と、どことなく似ていますね」
ガレーン国が北区に亜人の住民が増えた五年前から、亜人達が人の地区に入れないよう張っている結界。その魔力がこの竜の魔力と似ているというのは。国の結界を張っているのは、もしかすると竜の片割れの可能性がある。
「じゃ、ミカさんとロカさんの言う通りだったら、彼女の番は中央区の何処かにいるということ?」
「だな、リーヤの言う通りかもな。いま、各国から集まる貴族を守るための警備強化注意。舞踏会後の国王祭でオレ達ーー亜人隊は日中は中央区と北区の境の警備をしたり、国王祭のひとつの見せ物で闘技場でガーレン国の騎士、リルガルドの騎士の模擬戦、アサトとオレは戦いがある。その為に結界は消されてるんじゃなかったかな? 番を探すチャンスか?」
「え、カートラお兄様達だけじゃなくて、ナサとアサトさんも戦うの?」
皇太子とか舞踏会のことでいっぱいだったからか、ナサからそんな話は聞いていない。……いいな、わたしも混ざりたいじゃない、ナサとアサトさんが見せ物とか嫌だわ。
「……リイーヤ」
「リイーヤちゃん」
うっ、カートラお兄様とランドル様の視線が……
「……シッシシ、リーヤ、オレたちにまざりたいと思ったのか。まっ、オレ達も見せ物になるのは嫌だが、そのぶん見返りも多いんだ。それに出ると金と装備、食料がたくさんもらえるし、なんと休みが三日貰えるんだ!」
「休みが、三日も貰えるの?」
だったら、休みの日にナサと遠出に行けるし、わたしの家に泊まりにきてもらえる。
それは嬉しいのだけど……
「他の令嬢や女性、騎士の女性がナサの戦う姿を見て、カッコいいとか思うのは嫌だわ!」
と、拗ねた物言いのわたしに、ナサの顔は真っ赤。
周りのみんなは"ブッ"と吹き出した。
『ハッハハ、息子よ、良かったな。嫁にずいぶんと愛されているな。人は亜人を見ても一部の人は惚れるかもしれんが、あとはおびえるだけだ。そうだろみんな!」
ナサのお父様の言葉にみんな頷き、竜も、カートラお兄様とランドル様も頷いた。