寵愛のいる旦那との結婚がようやく終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい
最終話
神がいなくなったと混乱する王城に、一通の手紙が陛下の元へと届く。それは国の戻ったユーシリンのタリナ王妃からだった。
ーーその手紙の内容は。
《私の息子ナサが結婚いたしました。番となった私の息子の嫁にいいよるガレーン国の皇太子。我々、亜人にとって番は唯一無二の存在なのです。おわかりでしょうか? 皇太子殿下もそろそろ婚約者を迎え、時期国王となのですよね? 私の息子の嫁にちょっかいを出すということは、我々、亜人にとっては許し難いごとです! 私の息子は皇太子殿下に対して戦いを申し込みます!》
これは、ユーシリン国から皇太子殿下に対しての"果し状"であった。
ナサは自分がいうより、王妃のお袋が言った方が話を聞くと頼んだのだ。諦めなければ決闘すると、ナサは皇太子をコテンパンにのしてやると、やる気満々だ。
この手紙に目を通した陛下はすぐに、皇太子を呼び寄せ話を聞くと本当のことで、彼女を婚約者にしたいと伝えられた。
「では、お前は亜人隊のナサと決闘するのだな?」
「え、そんな事をすれば殺されてしまいます……父上から、彼女を諦めて守られるよう、ナサに言ってもらえませんか?」
陛下は首を縦に降らない。
この国ーーガレーンがユーシリン国に勝てたのは子供の人質を取ったからだ。ユーシリン国の国王に子供が返して欲しければ"一人で戦え!"と卑怯な手を使ったと、先代国王に伝えられた。
亜人と普通に戦えば負け戦……結界を張れる神のいないいまーーこの事が漏れて、亜人達が反乱を起こせば簡単に国は簡単に崩れる。
「諦めて、他の令嬢と結婚しなさい。ナサという者の番に二度と手を出すな、会いにも行くなーーこれは勅命である」
「そんな父上……」
「私は国民を、ガレーン国を守らなくてはならない! 時期ーー国王になるお前も心に刻み込め! 王の命を守れなければ、皇太子の座から下ろし辺境の地へと送る」
皇太子に伝えて陛下は王の間を去った。
その足で会議室に向かい家臣達と、舞踏会と国王祭をどうするか話し合いを始めた。
そして来訪者達に伝えられる。
舞踏会と国王祭は一ヶ月後に延期すると、今回、皇太子殿下の婚約者候補の者達は城に残るか、一ヶ月後に再度、ガレーン国に訪れてほしいと伝えた。
数日後、ユーシリン国に届いた
ガレーン国王からの手紙。
《ユーシリン国の王妃よ、皇太子に伝えた。王子と番の者には辛い思いをさせた、二度と会わないと本人は言っている。いがみあいのない同盟国として、いままで通りにいたそう》
と、陛下の自筆で皇太子の事が書かれていた。
『もう、安心していい』と、タリナお母様からナサの元に届けられた。
「リーヤ、皇太子は諦めたようだ! 負けると分かっていながら、オレと戦いたくなかったんだな!」
「よかった……皇太子の影は帰ったのよね?」
いつも見張られているのは疲れるし、嫌だ。
「ああ、奴ら自身のーー王家を守る、本当の仕事に戻ったな」
二日後、お昼頃。
ミリア亭でナサとわたしの披露宴がおこなわれた。リモーネ君とカムイさんを誘ったのだけど、騎士団の仕事が忙しいらしくて『結婚、おめでとう。リイーヤ』『おめでとうございます!』と書いた電報が届く。
ミリアさん、アサト、ロカ、リヤ、カヤ、レン、ギギ、ルフ、リキさん夫婦、ミカ、ワカさん親子、ミリア亭に来るお客さん、みんなに"おめでとう!"を言われて、ナサとの結婚をお祝いしてもらった。
この披露宴は夕方まで続いた。
日も暮れて!披露宴が終わり二人で家に戻ったのだけど、二人ともに緊張しているのか口数が少ない。
「コーヒーいれる?」
「ああ」
「お風呂、先にはいる?」
「おお」
と、こんな感じだ。
(ナサとの初夜……)
北門の警備をレン、ギギ、ルフにお願いして、三日間休みをもらったと言っていた。
「アイツらから、オレに変わろうかって言ってきたんだ。だからお願いした……舞踏会と国王祭が延期したから、休みも一ヶ月後までお預けだからな」
二人ともお風呂上がり。
少しおしゃべりをして、
「……ナサは少し経ってから、寝室に入ってきて」
「おお? わ、わかった」
わたしは先に寝室に入り、この日の為にとミリアさんと下着屋にいって、選んだネグリジェに着替える。
(このネグリジェ、ナサに変だと思われない? わたしの体変じゃないかな? ナサが……ガッカリしたら、しばらく立ち直れないかも)
変な思考がグルグル頭をめぐる。
そうしているうちに、コンコンとノックされた。
そのとき、フラッシュバックを起こした。
三年前のあの日ーードキドキしながら、わたしはあの人待っていた。
ノックされて訪れたあの人に『他に好きな人がいる。誤解させたね、君を抱くつもりはない』と言われた。
思考が重く、辛くなる。
それを振り払おうとブンブン首を振り、変な思考を飛ばして、寝室の外で待つナサに返事した。
「は、はい、入って」
「ああ」
緊張で声が震える。
ガチャッと扉が開き、お揃いで買ったシャツに短パン姿のナサが入ってきた。ベッドの端に座るわたしを見て、彼は瞳を大きくして、ゴクリと大きな喉の音を鳴らした。
「リーヤ、その格好は……?」
お揃いのシャツと短パンだと、思っていたのだろう。
薄水色のネグリジェ姿のわたし、
「どう? 変じゃない?」
と聞いた途端に、半獣姿のナサが元の姿に戻る。
(えっ?)
ナサは顔を真っ赤にして、
「ハァハァ、マズイって……抑えが効かなくなる。オレも初めてだから、その、初めては優しくしたいんだ」
と、言っていたナサは、わたしの手を取りベッドに押し倒して唇を奪った。
「ん、んっ……ナサ?」
「スゲェ、リーヤ、想像していたのよりも色っぽい……噛みつきたい、可愛い、愛しているリーヤ……この姿じゃ、リーヤの体に無理かけちまう」
フゥ、フゥと息を荒くして興奮するナサ。
その姿が愛おしくって、可愛くって仕方がなかった。
「わたしは平気だよ。でも、ゆっくりして欲しいかな?」
「あ、当たり前だ……あのさ、オレ、アサトとロカ、リキに閨について聞いたが、下手だと思う。……ごめんな」
「ちょっと、ナサは謝らないの!……ところで、緊張して、ナサは忘れていない? わたしも初めてだということ……」
真っ赤になって伝えると、彼はピョンとわたしの上から素早く退き、焦り始めた。
「うわぁ、オレ、テンパってた。ごめん、リーヤも初めてだった……オレ、興奮した」
「落ち着いてよ、ナサ」
ナサの大きな手に、自分の手を重ねた。
「……リーヤ」
「ナサ」
しばらく見つめあって『シッシシ』『フフッ』と、二人で笑った。
初心(うぶ)な、二人の初夜はというと……お互い初めて触れた、体の触り合いっこで二人共に満足と達してしまい。……明日、明後日と、触り合いっこが続いた。
実際に結ばれたのは、一ヶ月後の休みの日だったとか。
大声で伝えたい!! ナサに出会ってよかった。
ナサ、愛しているわ!!
☆最後までお読みいただきありがとうございます☆
ーーその手紙の内容は。
《私の息子ナサが結婚いたしました。番となった私の息子の嫁にいいよるガレーン国の皇太子。我々、亜人にとって番は唯一無二の存在なのです。おわかりでしょうか? 皇太子殿下もそろそろ婚約者を迎え、時期国王となのですよね? 私の息子の嫁にちょっかいを出すということは、我々、亜人にとっては許し難いごとです! 私の息子は皇太子殿下に対して戦いを申し込みます!》
これは、ユーシリン国から皇太子殿下に対しての"果し状"であった。
ナサは自分がいうより、王妃のお袋が言った方が話を聞くと頼んだのだ。諦めなければ決闘すると、ナサは皇太子をコテンパンにのしてやると、やる気満々だ。
この手紙に目を通した陛下はすぐに、皇太子を呼び寄せ話を聞くと本当のことで、彼女を婚約者にしたいと伝えられた。
「では、お前は亜人隊のナサと決闘するのだな?」
「え、そんな事をすれば殺されてしまいます……父上から、彼女を諦めて守られるよう、ナサに言ってもらえませんか?」
陛下は首を縦に降らない。
この国ーーガレーンがユーシリン国に勝てたのは子供の人質を取ったからだ。ユーシリン国の国王に子供が返して欲しければ"一人で戦え!"と卑怯な手を使ったと、先代国王に伝えられた。
亜人と普通に戦えば負け戦……結界を張れる神のいないいまーーこの事が漏れて、亜人達が反乱を起こせば簡単に国は簡単に崩れる。
「諦めて、他の令嬢と結婚しなさい。ナサという者の番に二度と手を出すな、会いにも行くなーーこれは勅命である」
「そんな父上……」
「私は国民を、ガレーン国を守らなくてはならない! 時期ーー国王になるお前も心に刻み込め! 王の命を守れなければ、皇太子の座から下ろし辺境の地へと送る」
皇太子に伝えて陛下は王の間を去った。
その足で会議室に向かい家臣達と、舞踏会と国王祭をどうするか話し合いを始めた。
そして来訪者達に伝えられる。
舞踏会と国王祭は一ヶ月後に延期すると、今回、皇太子殿下の婚約者候補の者達は城に残るか、一ヶ月後に再度、ガレーン国に訪れてほしいと伝えた。
数日後、ユーシリン国に届いた
ガレーン国王からの手紙。
《ユーシリン国の王妃よ、皇太子に伝えた。王子と番の者には辛い思いをさせた、二度と会わないと本人は言っている。いがみあいのない同盟国として、いままで通りにいたそう》
と、陛下の自筆で皇太子の事が書かれていた。
『もう、安心していい』と、タリナお母様からナサの元に届けられた。
「リーヤ、皇太子は諦めたようだ! 負けると分かっていながら、オレと戦いたくなかったんだな!」
「よかった……皇太子の影は帰ったのよね?」
いつも見張られているのは疲れるし、嫌だ。
「ああ、奴ら自身のーー王家を守る、本当の仕事に戻ったな」
二日後、お昼頃。
ミリア亭でナサとわたしの披露宴がおこなわれた。リモーネ君とカムイさんを誘ったのだけど、騎士団の仕事が忙しいらしくて『結婚、おめでとう。リイーヤ』『おめでとうございます!』と書いた電報が届く。
ミリアさん、アサト、ロカ、リヤ、カヤ、レン、ギギ、ルフ、リキさん夫婦、ミカ、ワカさん親子、ミリア亭に来るお客さん、みんなに"おめでとう!"を言われて、ナサとの結婚をお祝いしてもらった。
この披露宴は夕方まで続いた。
日も暮れて!披露宴が終わり二人で家に戻ったのだけど、二人ともに緊張しているのか口数が少ない。
「コーヒーいれる?」
「ああ」
「お風呂、先にはいる?」
「おお」
と、こんな感じだ。
(ナサとの初夜……)
北門の警備をレン、ギギ、ルフにお願いして、三日間休みをもらったと言っていた。
「アイツらから、オレに変わろうかって言ってきたんだ。だからお願いした……舞踏会と国王祭が延期したから、休みも一ヶ月後までお預けだからな」
二人ともお風呂上がり。
少しおしゃべりをして、
「……ナサは少し経ってから、寝室に入ってきて」
「おお? わ、わかった」
わたしは先に寝室に入り、この日の為にとミリアさんと下着屋にいって、選んだネグリジェに着替える。
(このネグリジェ、ナサに変だと思われない? わたしの体変じゃないかな? ナサが……ガッカリしたら、しばらく立ち直れないかも)
変な思考がグルグル頭をめぐる。
そうしているうちに、コンコンとノックされた。
そのとき、フラッシュバックを起こした。
三年前のあの日ーードキドキしながら、わたしはあの人待っていた。
ノックされて訪れたあの人に『他に好きな人がいる。誤解させたね、君を抱くつもりはない』と言われた。
思考が重く、辛くなる。
それを振り払おうとブンブン首を振り、変な思考を飛ばして、寝室の外で待つナサに返事した。
「は、はい、入って」
「ああ」
緊張で声が震える。
ガチャッと扉が開き、お揃いで買ったシャツに短パン姿のナサが入ってきた。ベッドの端に座るわたしを見て、彼は瞳を大きくして、ゴクリと大きな喉の音を鳴らした。
「リーヤ、その格好は……?」
お揃いのシャツと短パンだと、思っていたのだろう。
薄水色のネグリジェ姿のわたし、
「どう? 変じゃない?」
と聞いた途端に、半獣姿のナサが元の姿に戻る。
(えっ?)
ナサは顔を真っ赤にして、
「ハァハァ、マズイって……抑えが効かなくなる。オレも初めてだから、その、初めては優しくしたいんだ」
と、言っていたナサは、わたしの手を取りベッドに押し倒して唇を奪った。
「ん、んっ……ナサ?」
「スゲェ、リーヤ、想像していたのよりも色っぽい……噛みつきたい、可愛い、愛しているリーヤ……この姿じゃ、リーヤの体に無理かけちまう」
フゥ、フゥと息を荒くして興奮するナサ。
その姿が愛おしくって、可愛くって仕方がなかった。
「わたしは平気だよ。でも、ゆっくりして欲しいかな?」
「あ、当たり前だ……あのさ、オレ、アサトとロカ、リキに閨について聞いたが、下手だと思う。……ごめんな」
「ちょっと、ナサは謝らないの!……ところで、緊張して、ナサは忘れていない? わたしも初めてだということ……」
真っ赤になって伝えると、彼はピョンとわたしの上から素早く退き、焦り始めた。
「うわぁ、オレ、テンパってた。ごめん、リーヤも初めてだった……オレ、興奮した」
「落ち着いてよ、ナサ」
ナサの大きな手に、自分の手を重ねた。
「……リーヤ」
「ナサ」
しばらく見つめあって『シッシシ』『フフッ』と、二人で笑った。
初心(うぶ)な、二人の初夜はというと……お互い初めて触れた、体の触り合いっこで二人共に満足と達してしまい。……明日、明後日と、触り合いっこが続いた。
実際に結ばれたのは、一ヶ月後の休みの日だったとか。
大声で伝えたい!! ナサに出会ってよかった。
ナサ、愛しているわ!!
☆最後までお読みいただきありがとうございます☆