生きづらさ
もちろん③
「あなたは地元の人なの?」
僕は東京から飛行機で北海道に来たことを伝えると、彼女は私もよと答えた。
同じ飛行機に乗っていたようだと曖昧に答え、僕の隣の隣に搭乗していたことは話さなかった。
彼女は一瞬サングラスを外し、目尻を拭った。
彼女はインテリアや雑貨のデザイナーを仕事としているとのことだった。
僕はOA機器の営業をしていると話した。
僕らはしばらくお互いの話をした。
名刺交換もした。
彼女はバッグから煙草を取り出し火をつけた。
僕もポケットから煙草を取り出し火をつけた。
彼女は僕が泊まるホテルから近いホテルに泊まるようだ。
僕のホテルの5倍近くは値段が高い。
見た目は派手でもなく、ハイブランドを身にまとっているわけでもなかった。
この後時間があればホテルの最上階にバーがあるから来ないかと誘われた。
彼女ともう少し話をしたかったので行くことにした。
夜の眺めは見事だった。
遠くの方には海が見えた。
周りにいる客はブランドもののスーツや装飾品を身につけている人が多かった。
微かに聞こえる話も僕のような一般市民とは縁のない内容だった。
そんな中でも彼女はここにいるのに相応しい雰囲気があり、僕でさえも溶け込ませてくれた。
彼女は5年前に結婚をしたが、3年で離婚した。
原因は自分自身にあると彼女は言った。
会ってから間もないが、僕にはそれが理解できなかった。
彼女からは特に欠点を見受けられなかったし、ましてや頭もよく人を惹きつける何かがあった。
「私はもともと結婚なんかするべき人間じゃなかったのよ」
そう言って僕の方を振り向き微笑んだ。
「僕にはわからない。あなたのような人がどうして結婚に相応しくないのか。相手に問題があったとしか思えない」
彼女はカクテルのグラスを左右にゆっくりと揺らしながらそれを眺めていた。
「ごめんなさい。僕がこわなことを言う権限はなかった」と言った。
「私こそごめんなさい。あなたにこんな話をするべきじゃなかったわね」
しばらく沈黙が続いた。
「良かったら私の部屋に来ない?テレビで映画が観れるわよ。」
「もちろん」
近くに映画館もあったが特に興味があるものもなかったので彼女の部屋で一昔前の映画を観ることにした。
僕は東京から飛行機で北海道に来たことを伝えると、彼女は私もよと答えた。
同じ飛行機に乗っていたようだと曖昧に答え、僕の隣の隣に搭乗していたことは話さなかった。
彼女は一瞬サングラスを外し、目尻を拭った。
彼女はインテリアや雑貨のデザイナーを仕事としているとのことだった。
僕はOA機器の営業をしていると話した。
僕らはしばらくお互いの話をした。
名刺交換もした。
彼女はバッグから煙草を取り出し火をつけた。
僕もポケットから煙草を取り出し火をつけた。
彼女は僕が泊まるホテルから近いホテルに泊まるようだ。
僕のホテルの5倍近くは値段が高い。
見た目は派手でもなく、ハイブランドを身にまとっているわけでもなかった。
この後時間があればホテルの最上階にバーがあるから来ないかと誘われた。
彼女ともう少し話をしたかったので行くことにした。
夜の眺めは見事だった。
遠くの方には海が見えた。
周りにいる客はブランドもののスーツや装飾品を身につけている人が多かった。
微かに聞こえる話も僕のような一般市民とは縁のない内容だった。
そんな中でも彼女はここにいるのに相応しい雰囲気があり、僕でさえも溶け込ませてくれた。
彼女は5年前に結婚をしたが、3年で離婚した。
原因は自分自身にあると彼女は言った。
会ってから間もないが、僕にはそれが理解できなかった。
彼女からは特に欠点を見受けられなかったし、ましてや頭もよく人を惹きつける何かがあった。
「私はもともと結婚なんかするべき人間じゃなかったのよ」
そう言って僕の方を振り向き微笑んだ。
「僕にはわからない。あなたのような人がどうして結婚に相応しくないのか。相手に問題があったとしか思えない」
彼女はカクテルのグラスを左右にゆっくりと揺らしながらそれを眺めていた。
「ごめんなさい。僕がこわなことを言う権限はなかった」と言った。
「私こそごめんなさい。あなたにこんな話をするべきじゃなかったわね」
しばらく沈黙が続いた。
「良かったら私の部屋に来ない?テレビで映画が観れるわよ。」
「もちろん」
近くに映画館もあったが特に興味があるものもなかったので彼女の部屋で一昔前の映画を観ることにした。