神殺しのクロノスタシスⅣ
その日の夜。
僕と『八千歳』は、黒装束に着替え。
いつものように、イーニシュフェルト魔導学院の学生寮を抜け出した。
ちゃんと置き手紙も残してきた。
これで心配ない。
『八千歳』と二人で向かうのは、例の、『サンクチュアリ』という組織のビル。
その周囲には、聖魔騎士団の隊員らしき人々が、警戒網を敷いていたが。
「さーて、入ろっかー」
「うん」
監視の目を掻い潜り、かつ。
「えっ?」
途中、目が合った隊員には。
爪の隙間に隠していた針を、首元にプツッ、と刺した。
途端、針を刺された隊員は、ドサッと倒れた。
ちょっとした睡眠薬みたいなものなので、運が良ければ数時間で目覚めるだろう。
…え?運が悪かったらどうなるのかって?
大丈夫だよ。長くても、丸一日寝てれば起きるから。
いずれにしても無害なので、問題ない。
そんな訳で。
あっという間に、例の魔法陣の前に到着。
「さて、この魔法陣に入れば良いんだっけ?」
「うん」
学院長達が言ってたからね。
魔導師であれば、この魔法陣に入れば、異次元に転移させられるって。
…唯一、心配なことがあるとしたら…。
「…ねぇ、『八千歳』」
「何?」
「僕って、魔導師にカウントされると思う?」
「…」
え、何で無言になるの。
余計不安になってくるから、やめて。
「そーだなぁ…。もしかしたら、『八千代』は無理かもね〜」
やっぱり?
「発動条件は『魔導師であること』だもんね…。僕は魔導師のうちに入るのかな…」
『八千歳』は、色んな魔法が使えるから…言うまでもなく、魔法陣の発動条件を満たしているだろうけど。
力魔法しか使えない僕は、魔導師としてカウントしてもらえるのだろうか?
「え?力魔法しか使えない?それは魔導師として認められません」って、非魔導師認定されちゃったら。
文字通り、門前払いを食らうことになる。
折角ここまで来たのに…。
「まー、力魔法だけとはいえ、一応魔法は使えるんだし…。大丈夫なんじゃないの?」
「そうかなぁ…」
「ま、入ってみれば分かるよ」
うん。
最悪、僕だけ置いてきぼりの可能性もあるよね、それって。
『八千歳』だけ行かせて、僕だけ取り残されるっていうのは…。
それは…嫌だなぁ。
僕と『八千歳』は、黒装束に着替え。
いつものように、イーニシュフェルト魔導学院の学生寮を抜け出した。
ちゃんと置き手紙も残してきた。
これで心配ない。
『八千歳』と二人で向かうのは、例の、『サンクチュアリ』という組織のビル。
その周囲には、聖魔騎士団の隊員らしき人々が、警戒網を敷いていたが。
「さーて、入ろっかー」
「うん」
監視の目を掻い潜り、かつ。
「えっ?」
途中、目が合った隊員には。
爪の隙間に隠していた針を、首元にプツッ、と刺した。
途端、針を刺された隊員は、ドサッと倒れた。
ちょっとした睡眠薬みたいなものなので、運が良ければ数時間で目覚めるだろう。
…え?運が悪かったらどうなるのかって?
大丈夫だよ。長くても、丸一日寝てれば起きるから。
いずれにしても無害なので、問題ない。
そんな訳で。
あっという間に、例の魔法陣の前に到着。
「さて、この魔法陣に入れば良いんだっけ?」
「うん」
学院長達が言ってたからね。
魔導師であれば、この魔法陣に入れば、異次元に転移させられるって。
…唯一、心配なことがあるとしたら…。
「…ねぇ、『八千歳』」
「何?」
「僕って、魔導師にカウントされると思う?」
「…」
え、何で無言になるの。
余計不安になってくるから、やめて。
「そーだなぁ…。もしかしたら、『八千代』は無理かもね〜」
やっぱり?
「発動条件は『魔導師であること』だもんね…。僕は魔導師のうちに入るのかな…」
『八千歳』は、色んな魔法が使えるから…言うまでもなく、魔法陣の発動条件を満たしているだろうけど。
力魔法しか使えない僕は、魔導師としてカウントしてもらえるのだろうか?
「え?力魔法しか使えない?それは魔導師として認められません」って、非魔導師認定されちゃったら。
文字通り、門前払いを食らうことになる。
折角ここまで来たのに…。
「まー、力魔法だけとはいえ、一応魔法は使えるんだし…。大丈夫なんじゃないの?」
「そうかなぁ…」
「ま、入ってみれば分かるよ」
うん。
最悪、僕だけ置いてきぼりの可能性もあるよね、それって。
『八千歳』だけ行かせて、僕だけ取り残されるっていうのは…。
それは…嫌だなぁ。