神殺しのクロノスタシスⅣ
「とにかく、入ってみよう。そしたら分かるよ」
「うん」
僕と『八千歳』は、魔法陣の前に立った。
「よーし、行こっか。せーのっ」
「せーのっ」
ひょい。
二人で一緒に、魔法陣に飛び乗る。
瞬間、赤い輝きが増した。
「お、行けるんじゃない?」
「どうかな。『八千歳』に反応してるだけかも…」
今頃この魔法陣、認証とかしてるのかな?
はい、こっちの人は魔導師だから通過、こっちの人は魔導師じゃないっぽいから拒否、みたいな。
それは分からないけど。
『八千歳』がここを通過出来るのは確実だから。
だから、先に言っておく。
「『八千歳』」
「何?」
「気をつけてね。必ず、また会おう」
僕がそう言うと、『八千歳』はしばしぽかんとして。
それから、堪えきれなくなったように笑った。
「馬鹿だなー。俺を誰だと思ってんの」
「『八千歳』」
「じゃあ大丈夫だ。俺も、『八千代』が帰ってこないかもなんて、微塵も思ってない」
それなら良かった。
「それより、競争しよーよ。どっちが早く帰ってこられるか、競争」
と、『八千歳』が提案した。
競争か。成程。
「それは楽しそうだね」
「じゃー決まりね。負けた方は、勝った方に好物を奢る、ってことで」
負けられない戦いが始まってしまった。
もし負けたら、僕は『八千歳』に、いちご大福を奢らなければならなくなった。
逆に僕が勝ったら、『八千歳』に桜餅を奢ってもらえる。
…よし、頑張ろう。
その為には、まず魔法陣に僕を魔導師認定してもらわなければ。
僕は、足元で光を増す魔法陣に、語りかけるように言った。
「…僕は魔導師だよ。だから、僕を異次元世界に連れてって」
その声に応えるように。
僕の目の前が、真っ白になった。
「うん」
僕と『八千歳』は、魔法陣の前に立った。
「よーし、行こっか。せーのっ」
「せーのっ」
ひょい。
二人で一緒に、魔法陣に飛び乗る。
瞬間、赤い輝きが増した。
「お、行けるんじゃない?」
「どうかな。『八千歳』に反応してるだけかも…」
今頃この魔法陣、認証とかしてるのかな?
はい、こっちの人は魔導師だから通過、こっちの人は魔導師じゃないっぽいから拒否、みたいな。
それは分からないけど。
『八千歳』がここを通過出来るのは確実だから。
だから、先に言っておく。
「『八千歳』」
「何?」
「気をつけてね。必ず、また会おう」
僕がそう言うと、『八千歳』はしばしぽかんとして。
それから、堪えきれなくなったように笑った。
「馬鹿だなー。俺を誰だと思ってんの」
「『八千歳』」
「じゃあ大丈夫だ。俺も、『八千代』が帰ってこないかもなんて、微塵も思ってない」
それなら良かった。
「それより、競争しよーよ。どっちが早く帰ってこられるか、競争」
と、『八千歳』が提案した。
競争か。成程。
「それは楽しそうだね」
「じゃー決まりね。負けた方は、勝った方に好物を奢る、ってことで」
負けられない戦いが始まってしまった。
もし負けたら、僕は『八千歳』に、いちご大福を奢らなければならなくなった。
逆に僕が勝ったら、『八千歳』に桜餅を奢ってもらえる。
…よし、頑張ろう。
その為には、まず魔法陣に僕を魔導師認定してもらわなければ。
僕は、足元で光を増す魔法陣に、語りかけるように言った。
「…僕は魔導師だよ。だから、僕を異次元世界に連れてって」
その声に応えるように。
僕の目の前が、真っ白になった。