神殺しのクロノスタシスⅣ
「どうした?」
「皆、ちょっと冷静に考えよう?学院長先生の推測によると、分割された魔封じの石は、全部で十個あるんですよね?」
「…あくまで推測だけどね。本当は、もっと多いかもしれない」
嫌な推測だな。
「先に四人が消えて、それで四つ。魔法陣を作る為の水晶玉を合わせて五つ。それで、今回令月さんとすぐりさんが飛び込んでしまったから…」
これで七つ。
残る魔封じの石は…三つ。
あくまで推測だが、そういう計算になるな。
つまり、異次元世界に飛び込まないといけないのは、あと三人だ。
「あ、なら丁度良いじゃないですか。学院長、羽久さん、そして僕の三人で、万事解決」
勝手に解決しようとするな、馬鹿ナジュ。
「何でですか?」
「何でじゃないだろ」
「僕の他に、不死身の人間がいるんですか?それなら考えますけど」
いてたまるかよ。
でも。
「各地で魔導師排斥運動が活発化している上に、既に四人も人員が消えた聖魔騎士団魔導部隊に、これ以上の負担は強いられないでしょう」
と、ナジュは更に、説得力を持たせようとしてくる。
この野郎、正論という名の屁理屈をこねやがって…。
「学院だって、学院長がいないならイレースさんくらいは残らなきゃ、学院崩壊しますし。となると、やっぱり僕と学院長と羽久さん。この三人で決定ですね」
笑顔で言うんじゃない。
「お前…上手いこと丸め込みやがって…」
「現実的な話をしてるだけでは?」
何が現実的だよ。
詐欺師に言いくるめられた気しかしねぇよ。
「…認めるのは癪ですが、確かに腐れ読心魔法教師の言う通りかもしれませんね」
と、イレースは毒舌と溜め息を交えてそう言った。
腐れだってよ、お前。
「僕は…反対だよ。誰かが行かなきゃならないのは事実だけど、それならナジュさんじゃなくても、僕でも良いじゃないか」
天音がそう抗弁した。
いつもいつも、ナジュが不死身を良いことに突撃するのを、非常に不快に思っている天音である。
今回は自分が代わりに、という思いがあるのだろう。
「皆、ちょっと冷静に考えよう?学院長先生の推測によると、分割された魔封じの石は、全部で十個あるんですよね?」
「…あくまで推測だけどね。本当は、もっと多いかもしれない」
嫌な推測だな。
「先に四人が消えて、それで四つ。魔法陣を作る為の水晶玉を合わせて五つ。それで、今回令月さんとすぐりさんが飛び込んでしまったから…」
これで七つ。
残る魔封じの石は…三つ。
あくまで推測だが、そういう計算になるな。
つまり、異次元世界に飛び込まないといけないのは、あと三人だ。
「あ、なら丁度良いじゃないですか。学院長、羽久さん、そして僕の三人で、万事解決」
勝手に解決しようとするな、馬鹿ナジュ。
「何でですか?」
「何でじゃないだろ」
「僕の他に、不死身の人間がいるんですか?それなら考えますけど」
いてたまるかよ。
でも。
「各地で魔導師排斥運動が活発化している上に、既に四人も人員が消えた聖魔騎士団魔導部隊に、これ以上の負担は強いられないでしょう」
と、ナジュは更に、説得力を持たせようとしてくる。
この野郎、正論という名の屁理屈をこねやがって…。
「学院だって、学院長がいないならイレースさんくらいは残らなきゃ、学院崩壊しますし。となると、やっぱり僕と学院長と羽久さん。この三人で決定ですね」
笑顔で言うんじゃない。
「お前…上手いこと丸め込みやがって…」
「現実的な話をしてるだけでは?」
何が現実的だよ。
詐欺師に言いくるめられた気しかしねぇよ。
「…認めるのは癪ですが、確かに腐れ読心魔法教師の言う通りかもしれませんね」
と、イレースは毒舌と溜め息を交えてそう言った。
腐れだってよ、お前。
「僕は…反対だよ。誰かが行かなきゃならないのは事実だけど、それならナジュさんじゃなくても、僕でも良いじゃないか」
天音がそう抗弁した。
いつもいつも、ナジュが不死身を良いことに突撃するのを、非常に不快に思っている天音である。
今回は自分が代わりに、という思いがあるのだろう。