神殺しのクロノスタシスⅣ
ちょっと落ち着いて、状況を整理したい。
俺は、よく分からない夢を見ていた…気がする。
で、その夢から覚めてみたら、いつの間にか、見知らぬ教室の中にいる。
しかも、生徒みたいに椅子に座って。目の前の机には、ノートとテキストが広げてあって。
教室では、ハゲたおっさん教師が授業を行っている。
これじゃ、俺も生徒に戻ったみたいじゃないか。
いや、多分実際に、この場において俺は生徒なんだろう。
目の前のノートとテキストを見るに、そう判断するのが適当。
よく見たら俺は、見知らぬ制服まで着ている。
学ランだ。何気に着るの初めてでは?
じゃあここは何だ。学校か?
それとも塾か?
周囲の生徒は、私服姿の者もいれば、ネクタイをつけた制服姿の者もいる。
着ているものがバラバラってことは、学校じゃなくて塾なのかもしれない。
別にどちらでも構わないが、問題は、何故俺がこんなところにいるのか、ということだ。
こんな塾(?)には見覚えがないし、周囲の生徒にも、あのハゲ教師にも、全く見覚えがない。
それなのに、先程の態度を見るに、教師も生徒も俺のことを知っているようだった。
でなきゃ、知りもしない人間を、馬鹿だと断定出来ないもんな。
俺はあの人達のことを知らないし、この場所も知らない。
しかし彼らは俺を知っている。
…もしかして俺、記憶喪失?
何だそのシチュエーション。漫画やドラマじゃあるまいに…。
かろうじて、自分の名前だけは思い出せる。
ルイーシュ・レイヴン・アルテミシア。それが俺の名前だ。
しかし、思い出せるのは名前だけ。
それ以外のことは、何も思い出せない。
とにかく、もっとよく周囲を観察しなくては…。
…と、思うのに。
俺の身体が動かない。
記憶喪失は、まだ百歩譲って納得出来るとして。
自分の身体が、思うように動かないというのは、どういうことなんだ?
俺はさっきから、立ち上がろう、立ち上がって教室から出よう、そして外に出て、周囲の状況を確認しよう、と。
そう思って、立ち上がって、手始めにハゲジジィのハゲた頭をシバいて、外に出る為に走り出そうとしているのに。
身体が全く言うことを聞かない。
それどころか、自分も授業に集中しようとばかりに、シャーペンを握り、ノートを取っている。
これは俺の意志じゃない。俺の身体のはずなのに、知らない誰かが勝手に動かしているだけだ。
記憶を失ったばかりか。
俺は、自分の身体の自由さえ失ってしまったようだ。
俺は、よく分からない夢を見ていた…気がする。
で、その夢から覚めてみたら、いつの間にか、見知らぬ教室の中にいる。
しかも、生徒みたいに椅子に座って。目の前の机には、ノートとテキストが広げてあって。
教室では、ハゲたおっさん教師が授業を行っている。
これじゃ、俺も生徒に戻ったみたいじゃないか。
いや、多分実際に、この場において俺は生徒なんだろう。
目の前のノートとテキストを見るに、そう判断するのが適当。
よく見たら俺は、見知らぬ制服まで着ている。
学ランだ。何気に着るの初めてでは?
じゃあここは何だ。学校か?
それとも塾か?
周囲の生徒は、私服姿の者もいれば、ネクタイをつけた制服姿の者もいる。
着ているものがバラバラってことは、学校じゃなくて塾なのかもしれない。
別にどちらでも構わないが、問題は、何故俺がこんなところにいるのか、ということだ。
こんな塾(?)には見覚えがないし、周囲の生徒にも、あのハゲ教師にも、全く見覚えがない。
それなのに、先程の態度を見るに、教師も生徒も俺のことを知っているようだった。
でなきゃ、知りもしない人間を、馬鹿だと断定出来ないもんな。
俺はあの人達のことを知らないし、この場所も知らない。
しかし彼らは俺を知っている。
…もしかして俺、記憶喪失?
何だそのシチュエーション。漫画やドラマじゃあるまいに…。
かろうじて、自分の名前だけは思い出せる。
ルイーシュ・レイヴン・アルテミシア。それが俺の名前だ。
しかし、思い出せるのは名前だけ。
それ以外のことは、何も思い出せない。
とにかく、もっとよく周囲を観察しなくては…。
…と、思うのに。
俺の身体が動かない。
記憶喪失は、まだ百歩譲って納得出来るとして。
自分の身体が、思うように動かないというのは、どういうことなんだ?
俺はさっきから、立ち上がろう、立ち上がって教室から出よう、そして外に出て、周囲の状況を確認しよう、と。
そう思って、立ち上がって、手始めにハゲジジィのハゲた頭をシバいて、外に出る為に走り出そうとしているのに。
身体が全く言うことを聞かない。
それどころか、自分も授業に集中しようとばかりに、シャーペンを握り、ノートを取っている。
これは俺の意志じゃない。俺の身体のはずなのに、知らない誰かが勝手に動かしているだけだ。
記憶を失ったばかりか。
俺は、自分の身体の自由さえ失ってしまったようだ。