神殺しのクロノスタシスⅣ
大人達が揃って、頭を悩ませていた、

そのときだった。

俺の目の前に、天井から、逆さまの人間がにゅ〜っと降りてきた。  

心臓止まるかと思った。

何してんだお前、と言おうと思ったら。

先に、向こうが口を利いた。

「…ねぇ」

「ひぇっ!?」

彼は逆さまになったまま、ポン、とシルナの肩に手を置いた。

シルナは、ぶるぶると震えながら、後ろを振り向いた。

そこには、天井から宙吊り状態で、こちらを向いている者がいた。

「う、うぴゃぁぁぁぁぁ!!」

シルナの、この上なく間抜けな悲鳴が。

夜のイーニシュフェルト魔導学院にこだました。

…。

…そりゃびびるわ。
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