神殺しのクロノスタシスⅣ
「良いか?もう何度も口が酸っぱくなるほど言ってるが、お前らは夜中の脱走をやめろ!大人しく寝てろ!」
そりゃあお前らは、大人顔負けの実力を持っているが。
それでも、まだ子供なんだから。
大人の話に、子供が首を突っ込むんじゃない。
「シルナを見ろ!令月、お前が奇天烈な登場の仕方をしたもんだから、まだビビってるだろうが!」
シルナは、自分がお化けだと思ったものの正体が、令月だと分かったというのに。
未だに恐怖が消えないのか、天音にしがみついたままだ。
そりゃビビるわ。
あんなの、トラウマになるぞ。
しかも。
「ちなみにですが、僕は気づいてましたよ。読心してたら、なんか上の方からも気配を感じたんで。あぁこれは潜んでるなーと」
自称イケメンカリスマ教師が、とんでもないことを暴露。
お前、気づいてたんなら言えよ。
「いや、言わなかったら面白いことになるかなーと思って。案の定でしたね」
「…この野郎…」
お前ら、まとめて学院の外に叩き出すぞ。
朝まで帰ってこんで宜しい。
イレースが、あまりの怒りに無言で血管浮き立たせてるじゃないか。
どうするんだ。うちの鬼教官を怒らせて。
どうなっても知らんぞ。
「それで、魔導師排斥論者っていうのは何なの?」
おい。勝手に話を戻そうとするな。
そんな、何事もなかったかのように。
「お前ら。今すぐ寮に帰れ」
「ねぇ。知らないこと教えてくれるのが先生じゃないの?」
「そーだよ。もしかして魔導師排斥論者っていうのが、学院を狙ってんの?そしたら守らないと」
あっさりと、自分を戦力に加えようとするんじゃない。
お前らだって、俺達に守られるべき生徒なんだからな。
「駄目ですよ。二人共、何なら『僕らが先生達のこと守らなきゃ』って思ってますから。追い返しても追い返しても、教えてもらうまで忍び込むつもりですよ」
と、二人の心を読んだナジュが、呆れ果てたように言った。
…マジかよ…。
散々助けてもらっておいてなんだが、お前らに守ってもらわなきゃならないほど、俺達はヤワではないのだが?
しかし。
教えてやるまで、毎晩のように忍び込まれたんじゃ、こっちは安心して話し合いも出来ない。
会議の場所を変えれば良いだろうって?
そんな易しい方法で、この元暗殺者組の目を騙せるなら、苦労しない。
こいつらは、一度ターゲットを補足したら、絶対に逃がしはしない。
いかなる手段を持ってしても、必ず俺達を見つけ出し、気配と姿を消して、何処かに潜んでいる。
その執念深さと言ったら、まさにゴキブリ並み。
この二人から逃げようと思ったら、国境を越えてもまだ安心出来ないレベル。
だったら、もういっそ…逃げ回るより、素直にこの場にいさせた方が、まだ賢明というものだ。
少なくとも、無意味に逃げ回る必要はなくなる。
「…仕方ありませんね、この出しゃばり生徒達は…」
鬼教官イレースも、毒づきながらも滞在を許可。
まぁ、この二人の脱走癖は、今に始まったことじゃないもんな。
何なら、学生寮のベッドに縛り付けておきたいところだが。
こいつらは、それさえあっさりと解いて、侵入してきそうだもんな。
無駄な足掻きというものだ。
大体、下手に隠そうとして、またこんな登場の仕方をされたら。
俺もそうだが、特にシルナのダメージが半端じゃない。
余程さっきのが怖かったらしく、まだ天音にくっついてるもん。
「分かったよ。喋るから、もう天井裏に潜むのはやめろ」
「えー?だって、羽久せんせーが窓から入ってくるな、って言うから…」
窓から入ってくるなとは言ったが、代わりに天井裏に忍び込めとは言ってねーよ。
そういう意味じゃない。そもそも忍び込むのをやめろ。
…駄目だこりゃ。
俺達は考えることを一切合切を放棄して、素直に二人にも事情を話すことにした。
そりゃあお前らは、大人顔負けの実力を持っているが。
それでも、まだ子供なんだから。
大人の話に、子供が首を突っ込むんじゃない。
「シルナを見ろ!令月、お前が奇天烈な登場の仕方をしたもんだから、まだビビってるだろうが!」
シルナは、自分がお化けだと思ったものの正体が、令月だと分かったというのに。
未だに恐怖が消えないのか、天音にしがみついたままだ。
そりゃビビるわ。
あんなの、トラウマになるぞ。
しかも。
「ちなみにですが、僕は気づいてましたよ。読心してたら、なんか上の方からも気配を感じたんで。あぁこれは潜んでるなーと」
自称イケメンカリスマ教師が、とんでもないことを暴露。
お前、気づいてたんなら言えよ。
「いや、言わなかったら面白いことになるかなーと思って。案の定でしたね」
「…この野郎…」
お前ら、まとめて学院の外に叩き出すぞ。
朝まで帰ってこんで宜しい。
イレースが、あまりの怒りに無言で血管浮き立たせてるじゃないか。
どうするんだ。うちの鬼教官を怒らせて。
どうなっても知らんぞ。
「それで、魔導師排斥論者っていうのは何なの?」
おい。勝手に話を戻そうとするな。
そんな、何事もなかったかのように。
「お前ら。今すぐ寮に帰れ」
「ねぇ。知らないこと教えてくれるのが先生じゃないの?」
「そーだよ。もしかして魔導師排斥論者っていうのが、学院を狙ってんの?そしたら守らないと」
あっさりと、自分を戦力に加えようとするんじゃない。
お前らだって、俺達に守られるべき生徒なんだからな。
「駄目ですよ。二人共、何なら『僕らが先生達のこと守らなきゃ』って思ってますから。追い返しても追い返しても、教えてもらうまで忍び込むつもりですよ」
と、二人の心を読んだナジュが、呆れ果てたように言った。
…マジかよ…。
散々助けてもらっておいてなんだが、お前らに守ってもらわなきゃならないほど、俺達はヤワではないのだが?
しかし。
教えてやるまで、毎晩のように忍び込まれたんじゃ、こっちは安心して話し合いも出来ない。
会議の場所を変えれば良いだろうって?
そんな易しい方法で、この元暗殺者組の目を騙せるなら、苦労しない。
こいつらは、一度ターゲットを補足したら、絶対に逃がしはしない。
いかなる手段を持ってしても、必ず俺達を見つけ出し、気配と姿を消して、何処かに潜んでいる。
その執念深さと言ったら、まさにゴキブリ並み。
この二人から逃げようと思ったら、国境を越えてもまだ安心出来ないレベル。
だったら、もういっそ…逃げ回るより、素直にこの場にいさせた方が、まだ賢明というものだ。
少なくとも、無意味に逃げ回る必要はなくなる。
「…仕方ありませんね、この出しゃばり生徒達は…」
鬼教官イレースも、毒づきながらも滞在を許可。
まぁ、この二人の脱走癖は、今に始まったことじゃないもんな。
何なら、学生寮のベッドに縛り付けておきたいところだが。
こいつらは、それさえあっさりと解いて、侵入してきそうだもんな。
無駄な足掻きというものだ。
大体、下手に隠そうとして、またこんな登場の仕方をされたら。
俺もそうだが、特にシルナのダメージが半端じゃない。
余程さっきのが怖かったらしく、まだ天音にくっついてるもん。
「分かったよ。喋るから、もう天井裏に潜むのはやめろ」
「えー?だって、羽久せんせーが窓から入ってくるな、って言うから…」
窓から入ってくるなとは言ったが、代わりに天井裏に忍び込めとは言ってねーよ。
そういう意味じゃない。そもそも忍び込むのをやめろ。
…駄目だこりゃ。
俺達は考えることを一切合切を放棄して、素直に二人にも事情を話すことにした。