神殺しのクロノスタシスⅣ
――――――…次に、気がついたときには。
僕は、魔法陣があったはずの、『サンクチュアリ』の本拠地ビルの会議室の床で、大の字に寝そべっていた。
片手に、何か石みたいなものを握っていた。
…。
…あれ。
「僕…帰ってきたの…?」
「…帰ってきたみたいだねー」
ふと、聞き覚えのある声がして。
首を横に向けると、そこには『八千歳』が、僕と同じく大の字に寝ていた。
『八千歳』もまた、片手に石みたいなものを握っていた。
「『八千歳』…お帰り…」
「そっちこそ、お帰り…」
「僕の方が早かったよ、ちょっと…」
「いーや。俺の方が早かったね…」
どっちだろう。凄い僅差だ。
多分同時。残念ながら、勝負は引き分けのようだ。
それより。
「…どうだった?『八千歳』…」
「何がー…?」
「異次元世界…」
「そりゃもー…クソみたいな世界だったよ。二度と行きたくないね…」
そうなんだ。
「僕も一緒だよ…。二度と行きたくない…」
「って言うかさー…ここ、戻ってきたんだよね…?」
怖いこと聞くね、『八千歳』…。
ここがもとの世界じゃなかったら、僕達は大変だ。
「まだ異次元世界だったりしたら、嫌だよねー…」
「うん…。僕、もう魔力すっからかんなんだよ…」
「あはは、ださー…」
「『八千歳』は、元気なの…?」
「実は、さっきから魔力すっからかんでさー…。死にそー…」
「そっか…。ダサいね…」
魔力すっからかんのダサい者同士だ。
でも。
「今もう一回、異次元世界に行っても…大丈夫な気がしてきた」
「奇遇だねー…。俺も、大丈夫だと思ってるよ…」
だよね。
だって、さっきまでは僕、一人だけだったけど。
今は、二人だから。
魔力すっからかんのダサい者同士でも、僕と『八千歳』なら…。
そこがどんな世界でも、僕達は大丈夫だ。
僕は、魔法陣があったはずの、『サンクチュアリ』の本拠地ビルの会議室の床で、大の字に寝そべっていた。
片手に、何か石みたいなものを握っていた。
…。
…あれ。
「僕…帰ってきたの…?」
「…帰ってきたみたいだねー」
ふと、聞き覚えのある声がして。
首を横に向けると、そこには『八千歳』が、僕と同じく大の字に寝ていた。
『八千歳』もまた、片手に石みたいなものを握っていた。
「『八千歳』…お帰り…」
「そっちこそ、お帰り…」
「僕の方が早かったよ、ちょっと…」
「いーや。俺の方が早かったね…」
どっちだろう。凄い僅差だ。
多分同時。残念ながら、勝負は引き分けのようだ。
それより。
「…どうだった?『八千歳』…」
「何がー…?」
「異次元世界…」
「そりゃもー…クソみたいな世界だったよ。二度と行きたくないね…」
そうなんだ。
「僕も一緒だよ…。二度と行きたくない…」
「って言うかさー…ここ、戻ってきたんだよね…?」
怖いこと聞くね、『八千歳』…。
ここがもとの世界じゃなかったら、僕達は大変だ。
「まだ異次元世界だったりしたら、嫌だよねー…」
「うん…。僕、もう魔力すっからかんなんだよ…」
「あはは、ださー…」
「『八千歳』は、元気なの…?」
「実は、さっきから魔力すっからかんでさー…。死にそー…」
「そっか…。ダサいね…」
魔力すっからかんのダサい者同士だ。
でも。
「今もう一回、異次元世界に行っても…大丈夫な気がしてきた」
「奇遇だねー…。俺も、大丈夫だと思ってるよ…」
だよね。
だって、さっきまでは僕、一人だけだったけど。
今は、二人だから。
魔力すっからかんのダサい者同士でも、僕と『八千歳』なら…。
そこがどんな世界でも、僕達は大丈夫だ。