神殺しのクロノスタシスⅣ
全力駆け足で、女性隊舎の裏庭に行くと。
「よいしょ、よいしょ」
凄いへっぴり腰で、木にのこぎりを当てて、押したり引いたりするベリクリーデの姿があった。
とりあえず、姿は確認した。
で、問題は。
…こいつは何をやっているんだ?
一目瞭然。木を切っている。
しかも、桜の木を。
お前って奴は…。
「おい、ベリクリーデ…!」
と、声をかけようとしたら。
「ふー、疲れた…。ここいらで、ちょっと一休みしよう」
おい。いっぱしのお百姓さんみたいなこと言ってんじゃねぇ。
お前魔導師だろ。
「こら、ベリクリーデ!」
「わっ、びっくりした」
大声でベリクリーデを呼ぶと、彼女はのこぎりを持ったまま、きょとんとしてこちらを振り向いた。
きょとんとしたいのはこっちだよ。
「お前何やってるんだ!?」
「休憩」
それは見たら分かる。
「そうじゃなくて!その手に持ってるものは何だ!」
「チェーンソー」
のこぎりな、のこぎり。
チェーンソーじゃなくてマジで良かったと、心から思う。
のこぎりだから良いって訳じゃないけど。
これがもしチェーンソーだったら、木どころか、ベリクリーデも危なかったかもしれない。
素人が簡単に扱っちゃいけないんだぞ、チェーンソーって。
下手したら、自分を切って怪我する事態にもなりかねないからな。
いや、のこぎりも危ないんだけどな?
見たところ、ベリクリーデに怪我はなさそうだ。
そこは一安心、だが…。
全然安心出来ない状況が、目の前にある。
「お前、そののこぎりで何をしようとしてる?」
「あぁ、これ?木を切ってるの」
マジかよ。
嘘であってくれたらと思ったけど、やっぱり駄目だったか。
現実は残酷だ。
「ジュリスも手伝ってくれる?今、丁度良いところまで切れて…」
「アホ抜かせ」
何が良いところまで、だ。
俺は、慌ててベリクリーデがのこぎりを入れていた、桜の木の幹を確認した。
確かに、のこぎりによって傷ついてはいるが。
どうやらベリクリーデは、チェーンソーどころか、のこぎりの扱いも下手くそなようで。
切り傷はいくつもついているが、それほど深くはない。
幹の半分どころか、三分の一どころか、五分の一にも達していない。
これくらいなら、精々掠り傷だ。
ベリクリーデが筋金入りの不器用で、助かった。
俺は回復魔法の応用で、傷ついた木の幹を修復した。
「あっ。ジュリス酷い」
何が酷いんだよ。
酷いのはお前の奇行だろ。
「よいしょ、よいしょ」
凄いへっぴり腰で、木にのこぎりを当てて、押したり引いたりするベリクリーデの姿があった。
とりあえず、姿は確認した。
で、問題は。
…こいつは何をやっているんだ?
一目瞭然。木を切っている。
しかも、桜の木を。
お前って奴は…。
「おい、ベリクリーデ…!」
と、声をかけようとしたら。
「ふー、疲れた…。ここいらで、ちょっと一休みしよう」
おい。いっぱしのお百姓さんみたいなこと言ってんじゃねぇ。
お前魔導師だろ。
「こら、ベリクリーデ!」
「わっ、びっくりした」
大声でベリクリーデを呼ぶと、彼女はのこぎりを持ったまま、きょとんとしてこちらを振り向いた。
きょとんとしたいのはこっちだよ。
「お前何やってるんだ!?」
「休憩」
それは見たら分かる。
「そうじゃなくて!その手に持ってるものは何だ!」
「チェーンソー」
のこぎりな、のこぎり。
チェーンソーじゃなくてマジで良かったと、心から思う。
のこぎりだから良いって訳じゃないけど。
これがもしチェーンソーだったら、木どころか、ベリクリーデも危なかったかもしれない。
素人が簡単に扱っちゃいけないんだぞ、チェーンソーって。
下手したら、自分を切って怪我する事態にもなりかねないからな。
いや、のこぎりも危ないんだけどな?
見たところ、ベリクリーデに怪我はなさそうだ。
そこは一安心、だが…。
全然安心出来ない状況が、目の前にある。
「お前、そののこぎりで何をしようとしてる?」
「あぁ、これ?木を切ってるの」
マジかよ。
嘘であってくれたらと思ったけど、やっぱり駄目だったか。
現実は残酷だ。
「ジュリスも手伝ってくれる?今、丁度良いところまで切れて…」
「アホ抜かせ」
何が良いところまで、だ。
俺は、慌ててベリクリーデがのこぎりを入れていた、桜の木の幹を確認した。
確かに、のこぎりによって傷ついてはいるが。
どうやらベリクリーデは、チェーンソーどころか、のこぎりの扱いも下手くそなようで。
切り傷はいくつもついているが、それほど深くはない。
幹の半分どころか、三分の一どころか、五分の一にも達していない。
これくらいなら、精々掠り傷だ。
ベリクリーデが筋金入りの不器用で、助かった。
俺は回復魔法の応用で、傷ついた木の幹を修復した。
「あっ。ジュリス酷い」
何が酷いんだよ。
酷いのはお前の奇行だろ。