神殺しのクロノスタシスⅣ
俺もシルナも、ハッとして振り向いた。

人の気配を感じた。

イレースでも天音でもナジュでもない、誰かの気配を。

元暗殺者組は気配を感じないので、あの二人ではないのは明白だった。

それ以外の生徒達は、とっくに学生寮に戻っている。

だから、この気配は…俺達の知っている者ではない。

そして、振り向いた先にいたのは、俺の予測通り。

イーニシュフェルト魔導学院の者ではなかった。

「…君は…」

「…」

…噂をすれば何とやら、ってか。

つい夕方頃、お前の話をしていたところだよ。

いつの間にか、学院長室の窓が壊され、カーテンが風にたなびいていた。

そこに立っていたのは、賢者の石を集めている…例の、

俺達が、謎の男と呼んでいる人物、その人であった。



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