神殺しのクロノスタシスⅣ
「…!まさか…あの人が亡くなるなんて…。一体、何が…」
これには、シルナも驚いていた。
「…我が師は、俺が初めて出会ったときから…もう、長くはなかった」
「まさか。彼ほどの魔導師に、寿命はないはずだ」
「普通に生きていれば、な。俺も師からの聞きづてでしかないが、師は族長に封印を託された直後、望まずして聖戦に巻き込まれ、瀕死の重傷を負ったそうだ」
「…!」
それは…つまり。
里の族長が、デルムトに賢者の石を託し、デルムトが里を離れた後。
シルナが神殺しの魔法を使って、邪神を封じるまでの、その短い間の出来事ってことか。
里を離れてから起きたことなら、シルナが知るはずもない。
「そのときにはもう、遠からずして己の死を悟っていたそうだ。俺と出会ったとき、師は既に、半身不随でまともに動くこともままならなかった」
…そんな…そんな状態で…。
いや、だからこそ…。
「師は、封印を受け継ぐ者を必要としていた。里の族長に託されたものを、後世に伝えなければならないと。誰かに、封印の番人を受け継がせねばならないと」
…そういうことか。
それで選ばれたのが…お前なのか。
イーサ・デルムトは、自らの死期を悟り…封印の守り人を、別の人間に託したのだ。
イーニシュフェルトの里の族長と交わした約束…封印を守ること…を、果たす為に。
自分の信ずる弟子に、全てを託した。
そして、弟子に封印を受け継がせた後、役目を終えたイーサ・デルムトは…。
…。
「…俺には、師から託された役目がある。何としても、賢者の石を守り抜かなければならない。失われた石の欠片は、必ず取り戻す」
…その、役目を果たすこと。
それが、この男の目的だったのだ。
これには、シルナも驚いていた。
「…我が師は、俺が初めて出会ったときから…もう、長くはなかった」
「まさか。彼ほどの魔導師に、寿命はないはずだ」
「普通に生きていれば、な。俺も師からの聞きづてでしかないが、師は族長に封印を託された直後、望まずして聖戦に巻き込まれ、瀕死の重傷を負ったそうだ」
「…!」
それは…つまり。
里の族長が、デルムトに賢者の石を託し、デルムトが里を離れた後。
シルナが神殺しの魔法を使って、邪神を封じるまでの、その短い間の出来事ってことか。
里を離れてから起きたことなら、シルナが知るはずもない。
「そのときにはもう、遠からずして己の死を悟っていたそうだ。俺と出会ったとき、師は既に、半身不随でまともに動くこともままならなかった」
…そんな…そんな状態で…。
いや、だからこそ…。
「師は、封印を受け継ぐ者を必要としていた。里の族長に託されたものを、後世に伝えなければならないと。誰かに、封印の番人を受け継がせねばならないと」
…そういうことか。
それで選ばれたのが…お前なのか。
イーサ・デルムトは、自らの死期を悟り…封印の守り人を、別の人間に託したのだ。
イーニシュフェルトの里の族長と交わした約束…封印を守ること…を、果たす為に。
自分の信ずる弟子に、全てを託した。
そして、弟子に封印を受け継がせた後、役目を終えたイーサ・デルムトは…。
…。
「…俺には、師から託された役目がある。何としても、賢者の石を守り抜かなければならない。失われた石の欠片は、必ず取り戻す」
…その、役目を果たすこと。
それが、この男の目的だったのだ。