神殺しのクロノスタシスⅣ
小人が去ったところで。
改めて。
「…どうするんだよ、これ…」
俺は、白雪姫が眠る白い棺桶を見下ろした。
とんでもないパンドラの箱を開けてしまったものだ。
「どうするもこうするも…開けてしまったからには、小人の要求に従うしかないんでしょう?」
「いや、それは…そうなのかもしれないけど…」
…でも、何とかならないだろうか?
だって、この『白雪姫と七人の小人』の提示するルールに、まともに付き合ってたら…。
…死ぬ、かもしれないんだろ?
「シルナ…。どうしても、何とかならないのか?」
何とかして、今からでも、この白雪姫を再び封印して…なかったことに出来ないものか。
それが出来れば、律儀にこいつのゲームに付き合ってやる必要はなくなる。
しかし。
「うん…。何とか出来たら良いんだけど…。一度発動してしまったら、白雪姫が目覚めるまで…収まらないと思う」
…付き合ってやるしかないと言うのか。どうしても。
「それどころか、私達が無視していたら…最悪周囲にいる人間を、見境なく契約者に選び始めるかもしれない」
「周囲にいる人間を…」
つまり、学院の中にいる生徒達にまで、手を出しかねないってことか。
そうなったら一巻の終わりだ。
「この手の魔法道具は…一度発動させたら、最後まで付き合うしかない。私達は…『白雪姫と七人の小人』のゲームに巻き込まれてしまったんだ」
…。
…最悪だな。
「まさか、賢者の石の封印が解かれたことで、こんなところにその影響が及ぶとは…」
「こんなタチの悪い、悪ふざけみたいな魔法道具、もっとちゃんと封印しておいて欲しかったですね」
天音とナジュが、それぞれ言った。
本当その通りだよな。
冗談じゃない。他にもこんな魔法道具が封印されてるってことなのか?
「耳が痛い…けど、封印の儀式が行われたのは、もう遥か昔のこと…。封印の効力そのものが、弱くなっているのかもしれない」
と、答えるシルナ。
封印って、そんな経年劣化するものなのか。
まぁ、いくら鍵付きの金庫に入れたって、金庫そのものが錆びて朽ちたんじゃ、意味がないもんな。
それと一緒か。
そして、賢者の石という大きな封印が解かれたことによって、壊れかけていた金庫の扉が、ついに決壊した…。
そのせいで、イーニシュフェルト魔導学院の敷地内に、こんな大昔の魔法道具が出現したのだ。
改めて。
「…どうするんだよ、これ…」
俺は、白雪姫が眠る白い棺桶を見下ろした。
とんでもないパンドラの箱を開けてしまったものだ。
「どうするもこうするも…開けてしまったからには、小人の要求に従うしかないんでしょう?」
「いや、それは…そうなのかもしれないけど…」
…でも、何とかならないだろうか?
だって、この『白雪姫と七人の小人』の提示するルールに、まともに付き合ってたら…。
…死ぬ、かもしれないんだろ?
「シルナ…。どうしても、何とかならないのか?」
何とかして、今からでも、この白雪姫を再び封印して…なかったことに出来ないものか。
それが出来れば、律儀にこいつのゲームに付き合ってやる必要はなくなる。
しかし。
「うん…。何とか出来たら良いんだけど…。一度発動してしまったら、白雪姫が目覚めるまで…収まらないと思う」
…付き合ってやるしかないと言うのか。どうしても。
「それどころか、私達が無視していたら…最悪周囲にいる人間を、見境なく契約者に選び始めるかもしれない」
「周囲にいる人間を…」
つまり、学院の中にいる生徒達にまで、手を出しかねないってことか。
そうなったら一巻の終わりだ。
「この手の魔法道具は…一度発動させたら、最後まで付き合うしかない。私達は…『白雪姫と七人の小人』のゲームに巻き込まれてしまったんだ」
…。
…最悪だな。
「まさか、賢者の石の封印が解かれたことで、こんなところにその影響が及ぶとは…」
「こんなタチの悪い、悪ふざけみたいな魔法道具、もっとちゃんと封印しておいて欲しかったですね」
天音とナジュが、それぞれ言った。
本当その通りだよな。
冗談じゃない。他にもこんな魔法道具が封印されてるってことなのか?
「耳が痛い…けど、封印の儀式が行われたのは、もう遥か昔のこと…。封印の効力そのものが、弱くなっているのかもしれない」
と、答えるシルナ。
封印って、そんな経年劣化するものなのか。
まぁ、いくら鍵付きの金庫に入れたって、金庫そのものが錆びて朽ちたんじゃ、意味がないもんな。
それと一緒か。
そして、賢者の石という大きな封印が解かれたことによって、壊れかけていた金庫の扉が、ついに決壊した…。
そのせいで、イーニシュフェルト魔導学院の敷地内に、こんな大昔の魔法道具が出現したのだ。